「見えない敵と戦う」「ミッションを達成」。東京電力福島第1原発3号機への放水をした東京消防庁の緊急消防援助隊の第1陣が19日夜、帰還。総隊長の佐藤康雄消防司監ら3人が東京都千代田区の同庁で記者会見し、恐怖と緊迫の状況を報告した。
同庁によると、現場の路面状況が悪く、予定になかった車両外での作業を強いられるなど難航。隊員も防護服着用に普段より手間取るなど緊張し、絶えず放射線量を測定しながらの作業だった。
白煙が上がっていた場所を目掛けて放水したところ、直後に放射線量がゼロに近い値に低下したため、燃料プールに命中したと判断したという。
佐藤消防司監は「隊員の安全を確保し、連続して大量の水をプールに放水するミッションを達成できたと思う」と語った。
さらに「放射能という見えない敵と戦う恐怖心を克服した隊員に、敬服の念を抱いている」と振り返った。
「福島原発に行ってくるよ」。佐藤消防司監は派遣要請を受け、妻にメールを打った。返信は1行で、「日本の救世主になってください」だった。「帰ったら、ゆっくり寝たい」。涙を浮かべ、笑顔でつぶやいた。
特殊車両で放射線量を測定した冨岡豊彦隊長は「大変だったのは」と問われ、「残された家族」と答えて沈黙。目を真っ赤にし、ほおを震わせ、「隊員は士気が高く、一生懸命だった。残された家族に、おわびとお礼を申し上げる」と言葉を絞り出した。
3号機の間近で放水をした高山幸夫隊長は「仲間のバックアップがあったからできた」と断言。「出発前、『必ず帰る』とメールをしたら、妻から『信じて待ってます』と返信があった」と明かした。(2011年3月20日配信)
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