〔NY石油〕WTI反発、70ドル台(27日午前)
【ニューヨーク時事】週明け27日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、イラク産石油の輸出停止や米金融不安を巡る懸念後退を背景に買いが優勢となり、反発している。米国産標準油種WTI中心限月5月物は午前9時21分現在、前週末清算値(終値に相当)比1.20ドル高の1バレル=70.46ドル。
ロイター通信によると、イラク北部のキルクーク油田とトルコのシーハンを結ぶ原油パイプラインの稼働が停止し、日量約45万バレルのトルコ向け輸出が25日ストップした。これを受けて、供給混乱への懸念が台頭している。両国のパイプラインを巡る仲裁裁判でイラクの主張が認められたことを受け、トルコ側が送油停止の措置を取ったという。
金融システム不安の余波が拡大し、景気減速に伴うエネルギー需要減少するとの警戒感が和らいだことも、原油買いにつながっている。米連邦預金保険公社(FDIC)は26日、経営破綻した米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)について、米地方銀行ファースト・シチズンズ銀行(本拠地ノースカロライナ州)が一括買収することで合意したと発表した。(2023/03/27-23:03)