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礒﨑敦仁のコリア・ウオッチング
3月13日から米韓合同軍事演習「フリーダム・シールド(自由の盾)」が実施された。曲がりなりにも北朝鮮と対話が成り立った韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権下では中止措置が取られたため、春季定例演習としては5年ぶりの大規模訓練となった。いまや世界10位の軍事大国にのしあがった韓国が、核大国の米国と協力を深めるとなれば、矛…
娘(中央右)と共に朝鮮人民軍創建75周年慶祝閲兵式を観覧する金正恩朝鮮労働党総書記(同左)=2023年2月8日、平壌・金日成広場【朝鮮通信=時事】
2月8日、朝鮮人民軍創建75周年記念閲兵式(軍事パレード)が開催された。2021年1月の朝鮮労働党第8回大会で策定された「国防科学発展及び兵器システム開発5カ年計画」を着実に進めていることを内外に示した形だが、最大の注目点は「尊敬するお嬢さま」の登壇であった。
「後継者を育てたい」とジャーナリストの知人がつぶやいた。長年にわたって独自の北朝鮮取材を続けてきた彼は、自らのノウハウを後進に伝えたいが、ジャーナリストを目指す若者はなかなかいないという。畑は違うが同じく北朝鮮を観察対象にしている研究者としても、大きくうなずける話だった。
北朝鮮研究者・ウオッチャーにとって毎年元日は朝から分析に追われるのが常だ。新年を展望するための素材が発表されるからだ。発表のスタイルにはその時々の権力者の個性が反映される。初代の金日成氏は、歴代のソ連指導者と同様に「新年の辞」を恒例としたが、肉声の公表を好まなかった2代目の金正日氏は、この「新年の辞」を踏襲せず、朝鮮…
チェウニ(1964年生)は、99年に日本でデビューした韓国人女性歌手だ。日本レコード大賞新人賞を受賞した「トーキョー・トワイライト」(2000年)や、「アリベデルチ・ヨコハマ」(14年)などのヒット曲を持つ。何度かライブに足を運んだことがあるが、ステージから観客の顔が見えるくらいの小さな会場で表現力豊かな歌声に聞き入…
北朝鮮の思考を理解するうえで重要な手掛かりの一つは、最高指導者の肉声を伝える演説である。2011年12月に父の急死を受けて権力を継承して以降、金正恩氏は折に触れて党や国家の会議で発言してきたが、19年3月の最高人民会議代議員選挙で代議員(国会議員)職から外れた後は、不定期で同会議に出席し「施政演説」を行うことが慣例…
ウランバートルには格別な思いがある。社会主義体制を放棄して間もない1990年代前半、バックパックを背負って親友と真冬のモンゴルを旅した。3ドルもあれば熱いシャワーのある宿に泊まれたが、乾燥した内陸国であるがゆえ、魚介類はもちろんのこと野菜も不足しており、毎食どの食堂に入っても羊肉ばかりで滅入(めい)ってしまった。モン…
北朝鮮にとって核・ミサイル開発は、第一義的に抑止力としての意味がある。米韓から攻撃を受ければ、ミサイル防衛システムなど有していない北朝鮮にとってひとたまりもないが、一定程度の報復能力を持つことによってそれを抑止するという考え方だ。第二に、いつか米朝交渉が再開されれば、外交を有利に展開するためのカードにもなりうる。
この夏、久しぶりに韓国ソウルを訪れた。しかも8月、9月と2回連続。新型コロナウイルス感染拡大で長らく渡航が制限されていたため、実に3年ぶりの訪問となった。8月には日本出発前と韓国入国直後など複数回にわたってPCR検査を受ける必要があり、何度も綿棒を突っ込んだおかげで鼻を痛めてしまったが、9月に再訪した際には日本出発前…
旧統一教会をめぐるニュースが連日報じられているが、朝鮮半島を研究しているとこの団体の姿が見え隠れする。教祖の文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が冷戦時代に政治団体「国際勝共連合」を創設するなど、「反共」のイメージの強い統一教会だが、冷戦終結の前後に北朝鮮へ接近し、特に1991年12月に文氏が平壌で金日成主席と会見して以降、…
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