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中国ウオッチ 解説委員・西村哲也
中国の李克強首相が先の全国人民代表大会(全人代=国会)で2期10年の任期を終えて引退した。市場経済化による改革・開放推進に積極的だったが、保守的な習近平国家主席(共産党総書記)が権力を拡大する中で権限がどんどん縮小され、「史上最弱の首相」と呼ばれた。だが、そのような評価は正しいのだろうか。(時事通信解説委員・西村哲也)
中国の習近平政権が有事即応体制の強化に力を入れている。全国各地に「国防動員弁公室」を新設。台湾海峡や東・南シナ海で大きな紛争が起きる事態などを想定し、迅速に国家総動員で対応できる仕組みの整備を急いでいるとみられる。(時事通信解説委員・西村哲也)
中国共産党政権がこのところ宣伝を強化している「中国式現代化」について、発展途上国の模範であるとの見解を打ち出した。独自発展モデルの評価を高めることで、昨秋の第20回党大会で総書記として異例の3期目に入った習近平国家主席の権威をより高めようとしているようだが、過度に自己中心的な左傾路線は改革・開放による経済発展の妨げとなる恐れがある。(時事通信解説委員・西村哲也)
中国の習近平国家主席=2022年11月19日(AFP時事)
中国偵察気球の米領空侵入事件でブリンケン米国務長官が2月上旬の訪中を急きょ延期し、習近平政権が3期目の重要テーマとしていた対米関係改善は出だしでつまずいた。中国側の一連の対応は混乱し、「習1強」が確立したはずの政権は機能不全があらわになった。(時事通信解説委員・西村哲也)
台湾を威嚇する中国軍の演習で発射されるミサイル=2022年8月4日(AFP時事)
「2025~28年に統一戦争が起こる可能性が最も高い」。中国・北京の大学教授がインターネット上でこのように予測して、早期台湾侵攻論を公言した。勇ましい意見に賛意が寄せられると思いきや、非難の書き込みが相次いでいる。(時事通信解説委員・西村哲也)
台湾の呉釗燮外交部長=2022年11月23日、台北(EPA時事)
台湾の呉釗燮外交部長(外相)は、習近平政権が4期目に入るとみられる2027年に中国が台湾侵攻に踏み切る可能性が大きいとの見方を示した。台湾高官が中国による攻撃の具体的時期を予測するのは極めて珍しい。(時事通信解説委員・西村哲也)
習近平政権が異例の3期目に入った中国で、極端なゼロコロナ政策に抗議する「白紙運動」の後も市民の不満が噴出する騒ぎが相次いでいる。政権指導部は習派で固められて、トップの個人独裁色が濃くなったにもかかわらず、政治的統制力はかえって緩んでいるように見える。(時事通信解説委員・西村哲也)
ゼロコロナ反対デモが起きた中国・上海市内の道路を封鎖する警官隊=2022年11月27日(AFP時事)
中国共産党・政府は先のゼロコロナ反対デモについて「外部勢力」が介入したと断定したもようだ。「戦狼外交官」の典型として知られる大使らが、一連のデモは大規模な街頭行動で政権を倒す「カラー革命」の類いだったと主張。警察はデモの組織的背景の有無などを調べているとみられる。(時事通信解説委員・西村哲也)
日本記者クラブで中国国家主席として記者会見する江沢民氏=1998年11月、東京都千代田区(AFP時事)
11月末に96歳で死去した中国の江沢民氏。1992年に共産党政権の首脳として初来日した時の態度は「小心翼々」という印象だったが、6年後の再訪時には歴史問題で強気の姿勢を見せ、日本側では「傲慢(ごうまん)」と受け取る人が多かった。この違いは、江氏が最高権力者として力を増したという事情のほか、日中関係の変化も反映していた。(時事通信解説委員・西村哲也)
中国外務次官時代の楽玉成氏=2018年11月(AFP時事)
中国の習近平政権は3期目に入る第20回共産党大会で権力中枢の党中央委員会メンバーを大幅に入れ替え、国内外で注目度が高い外務官僚も対象になった。外相候補といわれながら左遷された上、中央委からも追い出されたケースがある一方で、大抜てきで中央委入りした外交官もおり、明暗がはっきり分かれた。(時事通信解説委員・西村哲也)
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