〔東京外為〕ドル、130円台後半=SVB買収決定で上伸(27日午後5時)
27日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、経営破綻した米中堅銀行シリコンバレー銀行(SVB)について、米地銀のファースト・シチズンズ銀行が一括買収するという報道が伝わったことで市場の不安心理が後退し、1ドル=130円台後半に上伸した。午後5時現在は、1ドル=130円93~93銭と前週末(午後5時、130円25~25銭)比68銭のドル高・円安。
前週末の海外市場では、ドイツ銀行株の下落を受けて金融不安が再燃し、リスク回避のドル売り・円買いの流れが加速。一時129円60銭台まで下落した。その後は3月の米購買担当者景況指数(PMI)速報値が市場予想より強い結果となったことなどを受け、米国時間の中盤には130円90銭近辺まで買い進まれる場面があった。
こうした海外市場の流れを引き継ぎ、東京時間は130円80銭台で取引をスタート。実需筋の買いが入り、午前10時半ごろには131円05銭付近まで上昇した。ただ、欧米の金融システムへの不安が払拭(ふっしょく)されず、リスク回避の円買いが広がり、午後1時すぎには130円50銭前後まで下落した。
ファースト・シチズンズ銀行がSVBを一括買収する報が伝わると、市場の不安心理が後退し、131円30銭台まで上伸した。時間外取引の米長期金利の上昇も支援材料となった。その後は戻り売りも出て、130円85銭付近まで値位置を下げた。
市場からは「手掛かり材料がなく、薄商い気味の市場だったこともあり、SVB買収報道がチャートに鮮明に反映されたのではないか」(FX業者)といった声が聞かれた。
ユーロは午後、対円、対ドルとももみ合い。午後5時現在、1ユーロ=140円75~78銭(前週末午後5時、141円03~05銭)、対ドルでは1.0751~0752ドル(同1.0829~0829ドル)。(2023/03/27-17:37)