プロ野球やJリーグに続き、各競技の国内試合再開に向けた模索と準備が本格化している。バレーボールのVリーグは、7月1日に2020-21シーズンの日程などを発表した。「コロナ危機」で、厳しい試練が待ち受ける新生Vリーグ3季目。延期された東京五輪もにらみ、日本バレーボール協会会長でもある嶋岡健治Vリーグ会長に、見通しと課題を聞いた。(時事通信社・若林哲治)
1部リーグのV1は男女とも10月17日に開幕し、収容人員の最大50%の観客を迎えることを想定して準備を進めるという。
―開催へ向けて最大の課題は。
嶋岡会長「第一はファンの安全、選手、運営スタッフの安全。もちろん選手も検査をしながらになる。こういう中でできる限りの努力をして、スポーツで元気になってもらえればありがたい」
―最大50%としたのは。
「国の施策にも合わせないといけないが、現時点ではぎりぎり50%ぐらいかなと。数字を明確にして準備を進めようと考えている。インドア競技だから『密』のリスクが相当あるので、ソーシャルディスタンスを非常に気にしながらやっていく」
―Vリーグは応援団も一定の人数が必要になる。
「50%をどう使うか。2年前からホームアンドアウェーを明確にして、ホームを少し厚くする仕組みなので、チームとよく相談する。ただ、一般の方に見てもらう機会を多くつくらないといけない。アウェーの応援団は移動のリスクも厳しいので、これからルールを明確にしていかないと」
―入場券の売り方にも関係してくる。
「前売りで(混雑具合を)把握する方法もある。ただ、前売りで全部売って、当日来たら当日売りがなかったのでは不都合なので、全くないのは厳しいかなと」
―各チームの考え方や姿勢は。
「こういう状況は相当認識してもらっていて、みんなで対策してやっていかないといけないと。ただ、バラバラではいけないので、ある程度基準をつくって守ってもらう」
―プロ野球は6連戦を組んで移動を減らす工夫もした。
「プロ野球やJリーグは自前のスタジアムを持っているので、ある程度自分たちの事情で日程も組めると思うが、われわれはコロナ前から会場を押さえに入っていた。(近年は)会場を取るのがものすごく大変で、やっと取れたから、会場ありきでやらざるを得ない事情がある」
―Vリーグはほとんど公共施設。自治体も、住民にスポーツを楽しんでほしいとは思うが。
「こういう状況だから駄目というところはほとんどない。ただ、感染が出る不安とのバランスで、相当難しい判断をされるだろう。今のところはVリーグが来るのはありがたいと言ってくれるので、われわれやホームチームが、リモートマッチ(無観客)になるケースも含め、丁寧に説明して進めたい」
―動画配信などの活用は。
「V1は主にDAZNで放送し、できない試合は独自のV.TVで見ていただいている。半分しか入れないところをどう見せるかの工夫も非常に大切なので、頑張らないといけない」
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