連載
トヨタ自動車子会社で、エンジンデータ不正に揺れた日野自動車が、独ダイムラートラック傘下の三菱ふそうトラック・バス(川崎市)と経営統合する。両社にそれぞれの親会社を加えた4社が5月30日、商用車分野で提携し、統合に向けた基本合意書を締結した。不正発覚で1000億円を超す過去最悪の赤字を計上した日野自は、世界大手のダイム…【続きを読む】
民主主義国家において、経済政策の目的は何だろうか。究極的には国民が「幸福」になることに違いないが、政策を選択するに当たっては何らかの指標を参考にせざるを得ない。これまで経済的な規模を示す国内総生産(GDP)が重視されてきたが、拡大する格差や気候変動の影響を捉え切れていないとの指摘がある。規模の拡大が幸福に直結しなくなった現状を踏まえ、日本が議長国を務める先進7カ国(G7)はGDP至上主義からの脱却を模索し始めた。【続きを読む】
海外遠征出発前に意気込む上田絢加選手=4月7日、東京都中央区【時事通信社】
「SKIMO(スキーモ、山岳スキー競技)」という競技をご存じだろうか。スキー板を履いたまま雪山を登ったかと思えば、外して背中に担いで移動し、再び装着して滑り降りてタイムを競う。日本でなじみの薄いこの競技が2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪で追加される。【続きを読む】
GAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック=現メタ、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)と呼ばれる米巨大IT各社のロゴ=ロンドン【AFP時事】
われわれの生活にとってなくてはならないインフラとなったインターネット。だが、巨大IT企業による個人データの囲い込みのほか、プライバシーの侵害、フェイクニュースの氾濫など、現在のネット社会はさまざまな課題を抱える。これらに対する一つの解として日本政府が取り組んでいるのが「トラステッドウェブ」と呼ばれる信頼を重視した次世代ネット社会の基盤の構築だ。【続きを読む】
報道陣に公開されたリニア中央新幹線の改良型試験車=2023年3月2日、山梨県都留市
最高時速500キロで走り、東京と大阪をわずか67分で結ぶ構想のリニア中央新幹線。JR東海は2027年の品川・名古屋間開業を目指してきたが、静岡県から県内工事への理解が得られず実現困難となっているのは周知の事実だ。一方、車両や運行システムの開発は、既にもう何年も前からいつでも実戦投入可能な段階にまで進んでいる。コロナ禍や物価高騰で社会経済情勢も大きく変化し、計画の先行き不透明感が増しつつある中、富士山麓の実験線で黙々と「走り込み」を続ける開発の現状を、試乗会を通して取材した。【続きを読む】
記者会見する東証スタンダード市場に上場した住信SBIネット銀行の円山法昭社長=3月29日午後、東京都中央区の東京証券取引所【時事通信社】
インターネット専業銀行が、今年に入り相次ぎ上場した。日本でネット銀行が誕生した2000年から20年余年。これまで、店舗網を持たない効率的な経営で金利や手数料を優遇し、顧客獲得につなげてきた。もっとも、この20年でキャッシュレス決済は急速に普及し、新たな事業者が多数登場するなどネット銀を取り巻く環境も大きく変わった。デジタル化が加速する次のステージへ、いかにデータを活用した事業で優位性を構築するのかが問われている。【続きを読む】
「2代目タイガーマスク」のために制作されたマスクやマント=小栗修さん提供
新型コロナウイルス感染症の拡大で大打撃を受けた音楽コンサートや演劇、スポーツなどのエンターテインメント業界。日本全国が感染対策一色に染まる中、いずれも「不要不急」などと退けられ、大きな制約を受けた。しかし、3年にわたって続いた国の感染対策はまもなく大きく転換する。関係者は「心の支えとなるエンタメの需要はなくならない」と自信を取り戻しつつあり、復活に向け再び走り始めている。【続きを読む】
バッテリー残量100%でスタート【時事通信社】
「電気自動車(EV)の充電インフラって実際のところどうなの?」。3月まで自動車業界の取材担当だった私は、知人や家族からこうした質問を受けることがある。取材先で聞く話やデータを踏まえれば、充電インフラの充実は確かに普及に向けた課題の一つだ。EVには何度か試乗しているが、自分で充電をしたことはなく、その利便性も分かった気になっていただけ。そこで私は思い立ち、「EVのある週末」を体験してみることにした。【続きを読む】
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トヨタ自動車など国内大手8社が出資し、自動運転や人工知能(AI)などに使う次世代半導体の量産を目指す新会社Rapidus(ラピダス、東京)が、開発・生産を行う工場建設に向けて動き始めた。新工場は北海道千歳市に建設し、新たな産業の拠点として政府や自治体とともに環境整備を進めていく計画。経済安全保障上の重要性が高まる先端半導体の確保に向け、官民がどう連携していくのか。ラピダスの東哲郎会長と、千歳市の山口幸太郎前市長に話を聞いた。【続きを読む】
かつて世界をリードした日本の電機産業は、平成時代(1989年~2019年)にその勢いを失った。2月に出版された「日本の電機産業はなぜ凋落したのか 体験的考察から見えた五つの大罪」(集英社新書)は、グローバル化とデジタル化、そしてインターネットの登場で激変を続けた時代と格闘した元大手電機メーカー社員による電機産業版「失敗の本質」と呼ぶべき本だ。苦い記憶と向き合い、本に込めた思いを著者の桂幹氏に聞いた。(時事ドットコム取材班 稲田日出男)【続きを読む】