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「政界一寸先は闇」─。岸田文雄首相はこの言葉をかみしめているのでないか。昨年10月に就任後、衆院選と参院選に勝利して順風満帆と思えたが、安倍晋三元首相の国葬や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題、物価高騰、相次ぐ閣僚の辞任などで、内閣支持率は急落、低迷している。防衛費増額方針を巡って与野党の動きも活発化する中、岸田…【続きを読む】
岸田文雄首相は8月下旬、原発の再稼働に向け「国が前面に立つ」意向を示し、原子炉の新増設や建て替えを進める姿勢を表明した。一方、経済産業省は、電力需給逼迫(ひっぱく)を背景とした安定供給や脱炭素化推進のため、既存原発の運転期間延長の法整備検討を開始した。こうした「原発回帰」の動きが強まる中、東京電力福島第1原発の事故後…【続きを読む】
安倍晋三元首相の国葬をめぐっては、依然として賛否両論が渦巻いている。政府は今後、有識者からの意見聴取を行って検証作業を進め、論点を整理して国葬に関するルール作りをする方針だ。国葬の総括と今後の論点は何か。気鋭の憲法学者、木村草太・東京都立大法学部教授(42)に聞いた。【続きを読む】
岸田文雄内閣は10月4日、発足1年を迎えた。時事通信の世論調査では、1年前の2021年10月の内閣支持率は40.3%だった。以後、上昇する。22年4月は最高の52.6%、参院選後の8月も44.3%を記録したが、最新の9月は32.3%に急落した。【続きを読む】
泉下の安倍晋三元首相は、果たしてこんな形で送られることに、どんな思いを抱いているのだろうか。明らかに多くの国民が反対する中、岸田文雄首相の‟決断“による「国葬」が強行された。おそらく、後に残るのはほろ苦い思いと、寂しさだろう。ここでもまた、この国の分断に、新たな1ページが加えられることになったことは間違いない。「終わ…【続きを読む】
投票前々日の安倍晋三元首相殺害事件が参議院選挙にどう影響するのか、国民の関心は高かったが、結果は、一言でいえば「サプライズなしの凡戦」に終わった感がある。事件前の調査による選挙情勢報道では、自民党と公明党の堅調を基に、「与党、改選過半数」という分析が支配的だったが、そのとおりとなった。【続きを読む】
今から20年前、2002年9月17日に小泉純一郎総理は訪朝し、平壌宣言に署名し、5名の拉致被害者の帰国につなげた。私は、それに至る1年の間水面下の交渉に携わった。とても長く苦しい時間だった。その交渉を振り返り、何が重要であったのかを改めて考えてみたいと思う。【続きを読む】
2015年9月の軍事パレードに臨む習近平中国国家主席【EPA時事】
2021年は中国軍が台湾に侵攻する可能性が現実味を持って論じられた年だった。3月に米軍のデービッドソン・インド太平洋軍司令官(当時)が上院軍事委員会公聴会で、台湾情勢について「6年以内に危機が明らかになる」と言及した。27年は中国軍創立100年に当たり、習近平共産党総書記(国家主席)の3期目の任期が終わる政治的な節目…【続きを読む】
立憲民主党の臨時党大会で気勢を上げる、新代表に選出された泉健太氏(中央)ら=2021年11月30日午後、東京都港区【時事通信社】
立憲民主党は2021年11月30日、辞任した枝野幸男代表の後継に泉健太政調会長(47)を選出した。旧民主・民進党勢力の分裂という政局の中で生まれた立民は、旧国民民主党との合併、衆院選での敗北を経て大きな転換点を迎えている。創業者である枝野氏が退いた後、新代表の下でこの党はどこへ向かうべきなのか。民主党事務局で長く政策…【続きを読む】
第49回衆議院選挙の開票結果を受けて記者会見する日本維新の会の松井一郎代表(中央)と吉村洋文副代表(右)=2021年10月31日夜、大阪市北区【時事通信社】
2021年10月31日に投開票された衆院選の特徴は、日本維新の会(「維新」)が大きく議席を伸ばしたことだった。公示前の維新の議席数は11だったが、大阪を中心とする16の小選挙区で勝利したことにくわえて、比例でも維新は25議席を獲得した。もちろん、2012年の衆院選で獲得した議席数が54であったことなどから、躍進とはい…【続きを読む】