〔NY石油〕WTI反発、72ドル台(7日午前)
【ニューヨーク時事】7日午前のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、サウジアラビアの追加減産表明を背景にした需給引き締まり観測がくすぶり、反発している。米国産標準油種WTIの中心限月7月物は午前10時35分現在、前日清算値(終値に相当)比1.07ドル高の1バレル=72.81ドル。
石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が4日の会合で、現在の協調減産の枠組みを2024年末まで延長することで合意。OPEC盟主のサウジアラビアは7月に日量100万バレルの追加減産を行うと約束した。これをきっかけに減産による需給逼迫(ひっぱく)懸念がくすぶっており、原油は買いが優勢となっている。
米エネルギー情報局(EIA)がこの日午前に発表した週報によると、2日までの1週間の原油在庫は前週比50万バレル減と、市場予想(100万バレル増=ロイター通信調査)に反し取り崩しとなった。このことも相場を下支えている。
一方、中国税関総署が7日発表した5月の貿易統計によると、輸出は前年同月比7.5%減少。輸入も4.5%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。これを受け、世界最大の石油輸入国である中国のエネルギー需要の先行きに警戒感が広がり、相場の上げ幅は抑えられている。(2023/06/07-23:59)