ブチャ解放1年、欧州首脳ら現地に 「中国は支持を」とウクライナ大統領
2023年04月01日13時34分
ロシア軍が多数の民間人を殺害したウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊ブチャが解放されてから31日で1年を迎えた。ゼレンスキー大統領は欧州4カ国首脳と現地を訪問し、式典でブチャのことを「世界は忘れないだろう」と強調。その後の共同記者会見では、中国の習近平国家主席にウクライナ支持に回るよう呼び掛けた。<下へ続く>
ウクライナ政府によると、ロシア軍は侵攻開始直後からブチャ一帯を約1カ月間占領。子供37人を含む1400人以上が死亡し、うち175人は集団埋葬地から見つかった。「戦争犯罪は9000件」とされ、ゼレンスキー氏はインスタグラムの投稿で「決して許さず、全ての罪人を罰する」と宣言した。
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この日はモルドバ、スロバキア、スロベニア、クロアチアの各首脳が同行し、集団埋葬地があるブチャの教会を訪問した。岸田文雄首相も3月21日、同じ場所に足を運び、犠牲者に哀悼の意をささげている。
4首脳との共同記者会見でゼレンスキー氏は、仲介者を自任しつつロシア寄りの中国に注文を付けた。3月下旬に訪ロ後も対話が実現していない習氏について「(支持を)ちゅうちょしている指導者の一人だ」と指摘。習氏の訪問招請を念頭に「返事を待っている」と行動を促した。
ゼレンスキー氏は、ロシアのプーチン大統領が戦術核兵器のベラルーシ配備で西側諸国を威嚇していることにも言及。自制につながらなかった中ロ首脳会談は「失敗だった」と断じた。