1948年の「黒いユニホーム」を着て本塁打を放った
阪神の新井貴浩(中央)。セ・リーグは8月17日から3日間を
「オールド・ユニホーム・シリーズ」と名付けて
復刻版ユニホームを身に着けて戦った
(2010/08/19、横浜スタジアム)【時事通信社】
セ・リーグは昨年8月、6球団が復刻ユニホームで試合をする「オールド・ユニホーム・シリーズ」を実施した。パ・リーグでもソフトバンクが一時期赤いユニホームを着るなど、レプリカユニホームやTシャツへの展開を考えた企画が定着してきた。
グッズの売り上げを伸ばすには多様な商品展開が求められ、子どもや女性向け衣料品、ペット用品に至るまで商品の種類は急速に広がっている。日本ハムは、昨秋のドラフト会議で斎藤佑樹の交渉権を引き当てた藤井純一球団社長のガッツポーズをあしらったタオルやTシャツを製作。斎藤の入団会見の日に札幌ドームで売って好評だった。
人気アニメ「ワンピース」とのコラボレーション商品は巨人、ソフトバンクなど複数の球団が販売しており、野球ファンに限らない客層を狙った展開も最近の傾向だ。
しかし、「復刻ユニホームは全パターンやったから、実は苦しい」(阪神・酒井清史営業部長)という声も聞こえるように、次々に企画が浮かぶ状態ではなくなってきている。
西武は2008年にファンの来場、購買動向を分析するシステムを導入し、商品開発や新商品の宣伝などに活用。パは6球団が07年に共同で設立したマーケティング会社を使い、市場調査や商品企画を進めている。
世間では無数の企業がヒット商品を狙って血眼になってきたのに、ついこの間まで「マーチャンダイジング(商品政策)という感覚がなかった」(セ球団幹部)プロ野球界。貴重な収入源となったグッズ販売をどう守り育てるか、ここからが正念場だ。
(取材・プロ野球取材班・文・浦俊介)
新着
会員限定