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塩田潮の政局ナビ
岸田文雄首相は就任から1年半、衆参の両方の選挙を乗り切ったのに、漂流状態が続く。内閣支持率は2023年3月実施の時事通信の世論調査で29.9%だった。22年10月以来、連続6カ月の20%台だ。やや持ち直したものの、国民の岸田離れは止まっていない。
塩田潮(以下、塩田) 2021年11月に立憲民主党代表に就任して約1年4カ月が過ぎました。
泉健太・立憲民主党代表(以下、泉) 21年10月の衆院選は、立憲民主党として満を持しての解散・総選挙で、議席増を予想していた中での敗戦ですから、相当のショックでした。焼け野原からのスタートです。「他党の影響を受けた立憲民主党」では、世の信頼を得られなかったわけですから、一つの政党として自立して、立憲民主党のブランドを再構築していく。一から始めようという気持ちでしたね。
昨年7月、参院選期間中に起きた安倍晋三元首相銃撃事件は永田町の景色を一変させた感がある。安倍氏の急死で生じた「権力の空白」は今も埋まらず、オウンゴールの連発で迷走を続ける岸田文雄政権を前に、野党側も明確な対立軸を打ち出せずにいる。不透明感を増す政局の行方を、岸田政権発足時から定点観測を続けてきたノンフィクション作家の…
岸田文雄内閣は10月4日、発足1年を迎えた。時事通信の世論調査では、1年前の2021年10月の内閣支持率は40.3%だった。以後、上昇する。22年4月は最高の52.6%、参院選後の8月も44.3%を記録したが、最新の9月は32.3%に急落した。
投票前々日の安倍晋三元首相殺害事件が参議院選挙にどう影響するのか、国民の関心は高かったが、結果は、一言でいえば「サプライズなしの凡戦」に終わった感がある。事件前の調査による選挙情勢報道では、自民党と公明党の堅調を基に、「与党、改選過半数」という分析が支配的だったが、そのとおりとなった。
自民党総裁選で岸田文雄氏が新総裁に選出された翌9月30日の午後、岸田体制の主要人事が次々に明らかになった。幹事長は麻生派の重鎮の甘利明氏、政務調査会長は総裁選第3位の高市早苗氏、次期官房長官には細田派の松野博一氏といった顔ぶれである。
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