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岸田首相演説会場に爆発物
大阪拘置所から和歌山県警和歌山西署に移送される木村隆二容疑者(中央)=1日、和歌山市
岸田文雄首相らへの殺人未遂罪などで起訴された木村隆二容疑者(24)は、取り調べに一貫して黙秘を続けている。動機が明らかにならない中、捜査当局は爆発物の鑑定などで殺傷能力を認定し、殺人未遂罪などでの起訴にこぎ着けた。
送検される木村隆二容疑者=4月17日、和歌山県警和歌山西署
和歌山市で4月、岸田文雄首相の遊説中に爆発物が投げ込まれた事件で、和歌山地検は6日、殺人未遂と爆発物取締罰則違反(爆発物使用)などの罪で、無職木村隆二容疑者(24)を起訴した。地検は爆発物の構造を分析するなどした結果、高い殺傷能力があり、首相や聴衆らへの殺意が認められると判断した。
和歌山西署に移送される木村隆二容疑者(中央)=1日午後、和歌山市
和歌山市で4月、岸田文雄首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、威力業務妨害容疑などで逮捕された無職木村隆二容疑者(24)の鑑定留置が1日、終了した。同容疑者の身柄は同日、大阪拘置所から捜査本部がある和歌山県警和歌山西署に移された。
和歌山県警本部=和歌山市
和歌山市で4月、岸田文雄首相の遊説中に爆発物が投げ込まれた事件で、威力業務妨害容疑などで逮捕された無職木村隆二容疑者(24)=鑑定留置中=について、和歌山県警は31日、殺人未遂や爆発物取締罰則違反などの容疑で追送検した。爆発物を鑑定した結果、殺傷能力が確認されたことから、県警は首相や聴衆らに対する殺意があったと判断し…
大阪高裁=大阪市北区
岸田文雄首相の演説会場で爆発物が投げ込まれた事件で逮捕された木村隆二容疑者(24)が、年齢などを理由に昨年の参院選に立候補できなかったのは違憲として、国に10万円の損害賠償を求めた訴訟は21日、請求を棄却した大阪高裁判決が確定した。原告、被告側双方が上告しなかった。
筒状の物体が投げ込まれ、振り返る岸田文雄首相(右から2人目)=4月15日、和歌山市(目撃者提供)
自民党は6日、治安・テロ対策調査会などの合同会議を開き、岸田文雄首相襲撃事件の報告書の説明を警察庁から受けた。出席者からは要人の警護強化に関し、演説会の屋内会場確保などで課題を指摘する声が出た。
有権者との触れ合いを重視する政治家側が、厳重な警護をどこまで受け入れるかが今後の焦点となる。コンサートや花火大会で観客の安全を確保する責任を主催者が負うのと同様、遊説では政治家側にその責任が生じる。警察庁は首相や閣僚などの警護対象者の遊説について、屋内での開催を優先し、自主警備態勢を強化するよう要請する。
【図解】爆発物投げ入れ前後の状況
和歌山県警と演説主催者の自民党和歌山県連は、事件3日前に合同で現地調査を実施した。県警が、県連側の「聴衆は漁協関係者のみ」との説明をうのみにしたことで、安全対策が次々と骨抜きになっていった。事件前日に自民党のウェブサイトに載った告知も、県警は気付いていなかった。
岸田文雄首相の遊説先で爆発物が投げ込まれた事件で、警護について検証していた警察庁は1日、「警護計画には、危険物を所持した者を首相に接近させないための実効的な安全対策がなかった」とする報告書をまとめた。政党側に屋内開催を促すなどの対策も盛り込んだ。
岸田文雄首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、火薬類取締法違反の疑いで再逮捕された木村隆二容疑者(24)の鑑定留置が始まっている。取り調べに黙秘しており、精神鑑定にも応じない可能性があるが、鑑定経験のある医師は「表情やしぐさが手掛かりになる」と話す。
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