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【街の特集】銀座探訪
本格的なフランス料理で内外の要人をもてなした精養軒。前を築地川が流れ、采女橋(手前)が架かっていた(「東京風景」1911年刊、東京都中央区立京橋図書館所蔵)
銀座4丁目の交差点から築地方面へ歩いて10分足らず。歌舞伎座と新橋演舞場のちょうど中間点に時事通信社の本社ビルがある。この場所には、かつて、東急グループのホテル第1号として開業した銀座東急ホテルがあり、明治、大正時代には日本の西洋料理店の草分けとして知られる築地精養軒があった。
真っ赤な日よけテントが目を引く三笠会館=東京・銀座【時事通信社】
赤御影石の歩道に、ハート形の木の葉のリンデンが連なる銀座並木通り。シャネルやルイ・ヴィトンなど海外の高級ブランドが集まるシックで落ち着いた街並みに、真っ赤な日よけテントが目を引く三笠会館がある。手軽な洋食から、本格フレンチやイタリアン、日本料理に中国料理と多彩に展開する老舗レストランは、歌舞伎座前のかき氷店として19…
人通りの絶えた銀座で夜通し行われたショーウインドーの展示替え=7月13日、東京・銀座【時事通信社】
銀座を歩いていると、洗練された大小さまざまなショーウインドーに目を奪われる。中でも4丁目の角に立つ「セイコーハウス銀座(旧和光本館)」のディスプレーは、日本一有名な交差点を見下ろす時計塔とともに「銀座の顔」と称されてきた。特徴ある優美な弧を描くウインドーは街に開かれた“舞台”として、70年以上にわたって、単なる商品展…
歌舞伎座の東側の通りに面した雑居ビルの2階にある木挽(こびき)堂書店は全国でも珍しい歌舞伎専門の古書店だ。7坪ほどの縦に細長い店内には、研究書や役者の芸談集、江戸時代からの筋書(すじがき=公演プログラム)、錦絵、ブロマイドなどがうずたかく積み上げられ、もはや通路はあってないようなもの。
芸者衆が宴席を舞台に芸を披露する日本独特のもてなし文化。その灯を守り続ける各地の花街(かがい)の中で、新橋花柳界は明治期に「日本一の社交場」と称された華やかな歴史を持つ。
「浮世絵」と聞いて思い浮かべるのは、喜多川歌麿の美人画や葛飾北斎の「富嶽三十六景」などだろうか。19世紀後半、「ジャポニズム」の名のもとに西洋の芸術文化に大きな影響を与えた多色刷りの木版画。その技法を継承しながら、古き良き日本を描いた「新版画」と呼ばれる木版画作品が今、人気を集めている。米アップル創業者の故スティーブ…
博品館RACING PARKのサーキット(魚眼レンズで撮影)=東京・銀座【時事通信社】
都会的で小粋な作品を上演する劇場と、子どもたちに幸せな夢を運ぶおもちゃの専門店が銀座の中央通りに誕生して40年余りになる。二つの個性的な顔を持つ博品館は、遊び心をくすぐる仕掛けも楽しいワンダーランド。建物の中央にあるガラス張りのエレベーターは今では珍しい油圧式で、周りを取り巻くらせん階段から中の構造を見ることができる…
銀座の路地裏から物や人のつながりを仕掛ける斉藤大地さん。「自分がお世話になった街だからというのが原動力」=東京・銀座【時事通信社】
歌舞伎座のすぐ裏手に昔ながらの路地裏の風情を残す一角がある。にぎやかな表通りからは想像できないほど静かで落ち着いた、生活空間としての銀座だ。ここで生まれ育った斉藤大地さん(37)は、創業100年の和菓子店「木挽町よしや」の3代目。コロナ禍で人の姿が消えた街を元気づけようと2020年に1人で始めた「銀座もの繋ぎプロジェ…
ミツバチの巣箱から取り出した巣枠を掲げてみせる銀座ミツバチプロジェクトの田中淳夫副理事長。蜜を集める働きバチがびっしり付いている=東京都中央区【時事通信社】
銀座でミツバチを飼って、おいしい蜂蜜を―。銀座周辺で働く有志の「ちょっとした好奇心と遊び心」から2006年に始まった「銀座ミツバチプロジェクト(略称:銀ぱち)」。今ではビルの屋上の巣箱から年間2トン近くの蜂蜜が採れるようになった。発足時から注目されてきた都市養蜂の試みは、街づくりや地域おこしなどの活動とつながりながら…
ユーチューブ動画を撮影中の道場六三郎さん(中央)=東京・銀座【時事通信社】
「Allez cuisine!(アレ、キュイジーヌ=料理を始めよ)」の掛け声とともに、キッチンスタジオでシェフたちが腕を競った人気テレビ番組「料理の鉄人」(フジテレビ系など)で、斬新な料理を次々と生みだした道場六三郎さん。日本料理の伝統にとらわれない自由な発想力は91歳の今も健在だ。銀座に店を開いて50年余り。百戦錬磨…
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