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令和おじさん進化論
現在、私は定年前の準備、定年後のスタートを応援するため、セミナーや企業研修、そしておじさんLCC(ライフキャリアコミュニティー)というオンラインコミュニティー運営をしております。そのため、定年後についての相談も寄せられるのですが、先日は50代後半男性から、「会社から再雇用の条件を言われたが、給与が今までの3分の1になると知って驚愕(きょうがく)した。転職も考え100社以上応募しているが全然うまくいかない。どうしたらいいか」と相談されました。
私は、20代の頃から職場や街中で“おじさん”をウオッチする「おじさん研究家」を自認してまいりました。世の中の人はみんな私と同じく“おじさん”に興味を持ち、好きだろうと考え、友人には『おじさん図鑑:なかむらるみ 絵・文』(小学館)を勧めたり、同僚には職場のおじさんについてのオモシロ情報を伝えたりしてきました。
今回は私が最初の転職で失ったもののお話です。私は、新卒で入社した三菱倉庫という会社を28歳の時に退職した後、キャリアコンサルタントになろうと決意し人材紹介企業であるJACリクルートメントという会社に転職しました。面談、求人開拓、履歴書添削、模擬面接など私がしたかった経験のすべてができ、しかも職場関係も良好で何も不満はない・・・はずなのですが、半年ほど経過した頃、「なんだか物足りない、普通にあるはずのものがないけれども、それが何なのか分からない」とモヤモヤした状態に陥りました。
66歳になっても肌がつるつるのパン製造・販売「峰屋」のご主人と筆者の金澤美冬さん=東京・新宿【時事通信社】
先日、60代のイメージについて考えさせられる出来事がありました。ある媒体の方からインタビューを受けた際に、私が「今の60代はめちゃくちゃ元気で」と言ったところが、原稿になって返ってきたときには、「今の60代はまだまだお元気で」という文言に変わっていたのです。
1日12時間どこで過ごしますか?(金澤美冬さん提供)【時事通信社】
今回は定年退職後の居場所について取り上げてみたいと思います。先日、私が運営するおじさんLCC(ライフキャリアコミュニティ)発信部のユーチューブライブで「定年退職後の居場所」というテーマで配信した際に、普段70~100回再生のところ、一気に1000回以上再生され、定年退職後の居場所については多くの方が気になっていることだと感じたからです。ユーチューブの分析アプリで視聴者層を確認してみたところ、55~65歳の男性が視聴しているということが分かり、定年前後の男性がご自身のこれからのヒントにしたいと情報を求めているのだと受け止めました。
おじさんLCC発信部のスクスク伸び盛りおじさんたち(金澤美冬さん提供)【時事通信社】
私は普段「おじさん」の定年前の準備や定年後のスタート支援のため、「おじさんLCC(ライフキャリアコミュニティ)」を運営、50代60代のサラリーマンや元サラリーマンが情報交換し切磋琢磨(せっさたくま)する場を提供したり、研修を行ったりしています。元々三菱倉庫という「なんだか面白いおじさん」が沢山いる会社に新卒で入社したことがキッカケでおじさん研究が趣味になり、50代60代の男性をターゲットとしてその一挙一投足を見逃すまいと日夜研さん(?)を積んでまいりました。
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