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「姓-名」? 「名-姓」?
政府は25日、国が作成する公文書で日本人名のローマ字表記を原則として「姓-名」の順にすることについて、具体的な表記対象として行政機関の外国語ウェブサイト、外国語の書簡や相手国に日本の立場を説明する資料などで用いることを申し合わせた。萩生田光一文部科学相が同日の閣議後の記者会見で発表した。来年1月1日から実施する。
日本人名のローマ字表記をめぐり、政府内の論争に6日、決着がついた。公式文書上は原則として「姓-名」順とすることが決定。菅義偉官房長官は今年5月の記者会見で「『ヨシヒデ・スガ』を使っている」と述べていたが、6日の会見では「スガ・ヨシヒデ」と改める考えを明らかにした。
政府は6日、国が作成する公文書で用いる日本人名のローマ字表記について、欧米式の「名-姓」ではなく、原則的に「姓-名」の順にする方針を決めた。柴山昌彦文部科学相が同日の閣僚懇談会で各閣僚に要請し、同意された。今後、内閣官房を中心に関係省庁で具体策を検討する。
2020年東京五輪・パラリンピックの開幕が1年後に迫る中、日本人名のローマ字表記方法が注目を集めている。河野太郎外相らが日本流の「姓-名」順を提唱する一方、慣行に反し混乱を招くとの指摘も根強い。多くの閣僚が同調せず政府内の足並みがそろわない中、民間から姓-名順を求める声も出ている。
立憲民主党の枝野幸男代表は31日の記者会見で、日本人名の英語表記について「母国語で名乗っている名前の順番が自然だ。政府が一斉に号令をかけた方がいい」と述べ、政府が「姓-名」順への統一を呼び掛けるべきだとの考えを示した。
菅義偉官房長官は29日の記者会見で、英語で自身の氏名をどう表現しているかを問われ、「『ヨシヒデ・スガ』を使っている」と述べ、「名-姓」順だと説明した。河野太郎外相や柴山昌彦文部科学相は「姓-名」順を提唱しており、閣内の足並みの乱れが露呈した。
安倍晋三首相が28日、トランプ米大統領とともに海上自衛隊の護衛艦「かが」に乗艦し、あいさつで自らの名に触れた際、外務省の通訳者が「シンゾー・アベ」と訳す場面があった。河野太郎外相は英語での氏名表記を日本語の語順通り「姓・名」とするのがふさわしいとの考えを示しており、政府のちぐはぐな対応ぶりを印象付けた。
外務省ホームページ(HP)の英語版で、安倍晋三首相の氏名表記が一時、姓、名の順に変わった。27日に元の名、姓の順に戻った。外務省関係者は「通常通りに記載することにした」と説明している。元に戻した理由は明らかにしていない。
【ニューヨーク時事】河野太郎外相が日本人名をローマ字表記する際に、欧米式の「名・姓」から日本で使用されている「姓・名」の順とするよう海外メディアに要請する方針を示したことについて、欧米メディアが相次ぎ取り上げている。
ローマ字表記が「姓―名」に変わった文部科学省の英語版ホームページの名前表記(写真上)と旧ホームページの「名―姓」の表記(同下)
文化庁は近く、日本人名のローマ字表記を欧米式の「名-姓」ではなく、「姓-名」の順にするよう要請する通知を行政機関などに出す。柴山昌彦文部科学相が21日の閣議後の記者会見で表明した。報道機関などにも要請する方針で、2000年に同庁の国語審議会(当時)が出した答申内容を改めて周知させる。
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