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2024年度に紙幣刷新
菅義偉官房長官は16日の記者会見で、新5千円札にデザインされた津田梅子の顔の向きが提供元の写真と逆との一部報道の指摘について、問題ないとの認識を示した。
新紙幣のイメージ。写真左から新1万円札、新5千円札、新千円札=9日、財務省
麻生太郎財務相は9日、紙幣のデザインを2024年度上期をめどに刷新すると発表した。新しい肖像は、日本の資本主義の礎を築いた渋沢栄一を1万円札、女性教育を推進した津田梅子を5千円札、日本近代医学の先駆者である北里柴三郎を千円札にそれぞれ採用。3紙幣の刷新は現紙幣の流通が始まった04年以来、20年ぶり。
創立者・津田梅子の写真を手に喜びを語る津田塾大の高橋裕子学長=10日午後、東京都渋谷区の同大千駄ケ谷キャンパス
新5千円札に創立者・津田梅子の肖像が選ばれた津田塾大の高橋裕子学長が10日、同大千駄ケ谷キャンパス(東京都渋谷区)で記者会見し、「そうなればいいと長く思っていたが、実現して本当に良かった」と笑顔を見せた。
ノルウェーの名産タラが描かれた200クローネ札(ノルウェー中央銀行提供)
【ロンドン時事】日本では2024年からの紙幣刷新で、渋沢栄一ら3人の肖像が採用されることになった。世界各国の紙幣は色とりどりのデザインが用いられているが、ノルウェーでは「肖像」に名産のタラなどを選定。一方、英国では新紙幣の肖像の候補となる人物を公募したところ、国民から推薦が殺到した。
【ソウル時事】韓国メディアは9日、新1万円札の肖像に採用された渋沢栄一について、朝鮮半島で紙幣発行や鉄道敷設を主導したことを挙げ、「侵略の歴史を代弁する人物」(ソウル新聞電子版)などと批判した。
2024年度に20年ぶりに刷新される紙幣は、再び明治時代以降に活躍した3人の肖像が使用されることになった。1984年に福沢諭吉、新渡戸稲造、夏目漱石に変更されて以来、「お札の顔」となった8人はいずれも明治以降の人物。精巧に造り込まれる現代の紙幣では、「絵」ではなく「写真」が欠かせないためだ。
発表された新紙幣のイメージ=9日午前、財務省
2024年度上半期に予定される新紙幣の発行は、現金自動預払機(ATM)や自動販売機の改修・更新などを通じて関連業界に1.6兆円の特需をもたらす見通しだ。一方、低金利の長期化で国内の収益力低下に苦しむ金融機関には、改修は負担となる可能性がある。
みずほ銀行の現金自動預払機(ATM)=東京都千代田区
20年ぶりの紙幣デザインの刷新に向け、銀行の現金自動預払機(ATM)などを製造するメーカー各社では、機器の入れ替えや改修に伴う特需に期待が広がっている。ただ、新紙幣の登場は5年後。業界では官民を挙げたキャッシュレス化の推進で現金やATMの需要が減り、前回2004年の紙幣刷新時ほど盛り上がらないのでは、との不安もある。
麻生太郎財務相は9日の閣議後記者会見で、2024年に発行する新紙幣のデザインに東京駅丸の内駅舎や葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」を採用したことについて「新元号の時代に引き継ぐべき日本の歴史と伝統、美しい自然、文化を表している」と説明した。
政府が2024年度上期をめどに刷新する新紙幣は、視覚障害者がお札の違いをより判別しやすくしたユニバーサルデザインを採り入れた。また偽札対策として、平面でも立体的に見える画像「ホログラム」の最新技術を導入する。
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