親谷温泉を訪ねたべにこさん。今回の目的地である岩間噴泉塔は、同じ白山ろくにあっても親谷温泉とは離れていますので、尾根を縦走して直行するのは困難です。そこで、来た道を戻り、その日は白山スーパー林道の入り口に近い白山一里野温泉の民宿「雪国荘」に泊まることにしました。ここは標高が約600メートルの高原で、冬にはスキー場もオープンします。べにこさんが訪れたのは夏ですが、夜にはひんやりとした山の冷気が漂ってきます。雪国荘では、いのしし肉やイワナの串焼きなどに舌鼓を打ったべにこさん。夜はゆっくり休んで、翌日の山歩きに備えました。
翌朝早朝、べにこさんは白山一里野温泉を出発し、まず自動車で新岩間温泉まで向かいます。ここまでは舗装道路が整備されていて、自動車で入れるからです。新岩間温泉からは徒歩ですが、安全を確保するため、地元の方に案内をお願いしました。同行してくださったのは、夏至さんと松本さんで、お二人は「岩間噴泉塔を守る会」の活動もされていて、ルートは熟知されています。夏至さんは、べにこさんが前夜お世話になった雪国荘のご主人です。新岩間温泉から噴泉塔までは、徒歩でおよそ2時間ほどの道のりだとのことです。
白山は古くから信仰の対象で、奈良時代から修験者が山を登るようになり、長い年月をかけて登山道が出来上がりました。現在、石川県側からは「加賀禅定道」「楽々新道」「岩間道」「中宮道」などの登山ルートが整備されています。今回、べにこさん一行は、途中まで「岩間道」を利用します。道とは言っても、あくまで登山ルート。べにこさんもトレッキングシューズで足もとを固め、GPS装置で自己位置を確認しながら進むことにしました。
新岩間温泉からの林道は路面自体は平坦でしたが、山側からは落石の危険があり、谷側は断崖絶壁の連続です。大きな岩が道を塞いでいる場所もあり、天候が悪ければ通れないようなところもありました。でも、絶壁の上からの眺めは美しく、眼下には滝も見えました。1時間ほど登ると、岩間の元湯に到着です。
岩間の元湯は、自動車を置いてきた新岩間温泉、前日に泊まった白山一里野温泉の原泉にもなっています。ここに宿はありませんが、野天湯はあります。温度は70度以上もあるので、谷川の水を引いて、人が入れる湯温まで下げてあるそうです。
湯壺は整備されていて、誰でも入ることができます。当然、べにこさんも入ります。脱衣所はありませんので、べにこさんは野天湯用のお着替えセットでタオル着に着替えます。
湯壺は広さ10畳ほどでしょうか。泉質は塩化ナトリウム物泉、無色透明でまろやかなお湯からは、ほのかな硫黄臭が漂います。それにしても、雄大な自然にいだかれた環境の中で入る野天湯の醍醐味は格別です。べにこさんも「山登りした後に入ったら、もう出られない」とため息をついています。でも、目的地の噴泉塔までは、まだ1時間近く歩かなければなりません。
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