世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランスが2013年、第100回を迎える。1988年から四半世紀にわたって取材を続けているジャーナリストの山口和幸さんにその魅力について聞いた。
―ツールを取材するようになったきっかけは何ですか。
大学を卒業して入社した出版社で現地に派遣されたのが最初でした。入社1年目はトライアスロンの担当で一生懸命やっていたので、2年目にツール担当になれと言われた時にはちょっとがっかりしたくらいでした(笑)。でも行ってみると、本当に華やかな祭典で、即日魅了されました。
―どこにひかれたのですか。
がくっとくるかもしれないんですけど、実はツールって競技の部分は骨格ではあれ、メーンじゃなくて10分の1なんだなということを現地に行ってつくづく感じました。日本でテレビを見ていると激闘の部分だけしか目に入らないのですが、現地に行くと「あれ?」っていうぐらいに和気あいあいとしているんです。裾野の広さや歴史であったり、社交とか村々のお祭りとか、もっと言うとフランス経済や外交などすべてに通じる一大イベントだと痛感しました。
ツール・ド・フランス
1903年に始まった世界最大の自転車ロードレースで、戦争の影響により開催されなかった年があるため、2013年が100回目。えりすぐりの約200選手が出場し、およそ3週間をかけてフランスを一周する。アルプス山脈やピレネー山脈に設定された険しい峠越えのコースが最大の見どころ。各ステージの合計所要タイムが最も少ない選手が黄色のリーダージャージ「マイヨ・ジョーヌ」着用の栄誉に浴する。
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