準決勝はフランス-ブラジル、スペイン-ドイツか。フランスは準々決勝の前に中5日の間隔がある(ブラジルは同3日)点が有利な要素になると考える。加えて最近のW杯での対戦は86年のPK戦勝利、98年決勝(3-0)、06年準々決勝(1-0)とブラジルを封じ込んでいる。総合力ではブラジルに分がありそうだが、ここではドラマが誕生すると予想し、わずかの差でフランスを買う。
ブラジルが快調に走っていた06年大会の準々決勝で、不利を予想されたフランスがロナウジーニョ、カカ、ロナウド、ロビーニョらをピタリと止めた試合の残像がずっと頭に残っている。ブラジル戦のフランスはなかなかしぶとい。ブラジルは右サイドバックのアウベスが欠場するため、左のマルセロがより積極的に前に出るだろう。押され気味のフランスはマルセロの裏を突いて貴重なゴールを奪い、ブラジルの猛攻に耐えて逃げ切る。そんな展開を想像してしまうのだ。
スペインは08年欧州選手権決勝(1-0)、10年W杯準決勝(1-0)でドイツを破っている。ドイツにとっては何度か痛い敗戦を喫した相手だ。セットプレーなどからスペインのディフェンダーのヘッドでゴールを奪われるというイメージが筆者の中にはある。こちらも準々決勝前の試合間隔でスペインの中5日に対し、ドイツは同3日という違いがある。ただ、ドイツは選手層の厚さで他の追随を許さない。アルゼンチン戦の疲労が残るスペインを後半に突き放すと予想する。
かくして決勝はフランス-ドイツに。14年W杯準々決勝はドイツが1-0で勝ち、16年欧州選手権準決勝はフランスが2-0で制した。ドイツ選手のラフプレーがフランス国民を怒らせた82年大会準決勝など、こちらも数々の因縁の歴史が存在するカードだ。
大詰めになるとけがや出場停止も気になるところ。こうした事態に見舞われても大きく戦力が落ちないドイツがやや優位か。このカードで熱くなるのは、どちらかと言えばフランスの選手たちだろう。反則による退場処分などが明暗を分ける可能性もある。より冷静に自分たちの戦いを貫くドイツの連覇達成というのが、筆者の最終予想だ。
ただ、史上3チーム目の大会連覇が簡単なはずはない。決勝がブラジル-ドイツの激突となり、ブラジルが4年前の雪辱を果たすというシナリオも、捨てがたいのである。
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