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ロシアW杯、優勝争いを占う

強さ誇る伝統国

 サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会が6月14日から7月15日まで、ロシアの11都市12会場で行われる。優勝争いに絞って、大会を展望してみる。(時事通信社・橋本誠)

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 過去の20大会で頂点に立った経験を持つのは8カ国・地域のみ。ブラジルが最多の優勝5回を誇り、欧州の両雄ドイツとイタリアが各4回、南米のアルゼンチンとウルグアイが各2回で続く。イングランド、フランス、スペインが各1回だ。

 この事実から考えると、長いプロの歴史を持つ南米・欧州の伝統国以外が頂点に立つのは極めて難しい大会であることは明白だ。オランダは過去、決勝で3度敗れて栄冠に届いていない。強豪と呼ばれる国であっても、何度も上位に進出し、ドアをたたき続けてもなお、厚い壁に阻まれるのがW杯というトーナメントなのである。

 過去の優勝国を見ても、ウルグアイは最後の優勝から68年、イングランドも52年が経過している。ウルグアイもイングランドも、その後は4強がそれぞれ2度、1度あるだけ。それだけ、ブラジル、ドイツ、イタリア、アルゼンチンが充実している。フランスは10度目の挑戦で自国開催のアドバンテージを生かし、自国にレベルの高いリーグを持つスペインも14度目の出場でようやく頂点に立った。

 優勝経験国のうち、今回はイタリアが60年ぶりの予選落ちを喫してロシアの地を踏むことができない。残る7チームのうち、ウルグアイとイングランドにとって、状況が最も好転した場合でも4強入りが精いっぱいと思われる。

 ズバリ、ドイツ、ブラジル、スペイン、フランスが今大会の4強チームだろう。優勝はおそらくこの中から出る。

 追う勢力はアルゼンチン、ベルギー、ウルグアイ、ポルトガルの4チーム。さらにポーランド、イングランド、コロンビア、クロアチア、メキシコあたりが続く。アフリカ勢の中で浮上するのはどこか。プレミアリーグで得点王に輝いたエースのサラーが欧州チャンピオンズリーグ決勝で負ったけがが回復すれば、エジプトは面白い存在だろう。前回のブラジル大会で4チーム合計0勝と惨敗したアジア勢は1次リーグの組み合わせを見ても相当に苦しい。1勝を挙げられるチームがいくつ出るかというのが現実的なところだろう。

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