野球の国・地域別対抗戦、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が3月6日から開催される。日本代表の「侍ジャパン」は、06年の第1回大会、09年の第2回大会と連覇を達成。しかし、前回13年の第3回大会は準決勝でプエルトリコに1-3で敗れて3連覇を逃した。第4回大会で2大会ぶり3度目の王座は勝ち取れるのか。戦いを展望する。
優勝、優勝、ベスト4。過去3回のWBCを振り返れば、もちろん日本以上の成果を収めた国はない。今回も当然、優勝候補の一角として戦いに臨むことになる。侍ジャパンの小久保裕紀監督も「目標は世界一。それ以外にはありません」と2大会ぶりの王座奪還へ語気を強めた。
とはいえ、戦いを前にしたチームには、暗雲も漂っている。小久保監督が先発投手陣の柱の一人と見据え、打撃との「二刀流」での活躍も期待していた大谷翔平(日本ハム)が右足首の故障を理由に代表から離脱。侍ジャパンは戦力面でも人気面でも、最大の目玉だったスター選手を失った。
シーズン開幕前の難しい時期の開催。予想されていたとはいえ、現役大リーガーの参加も結局は青木宣親外野手(アストロズ)のみとなった。WBC経験者も青木、牧田和久投手(西武)、中田翔内野手(日本ハム)、坂本勇人内野手(巨人)、松田宣浩内野手、内川聖一外野手(以上ソフトバンク)の6人と決して多くない。加えて、指揮官自身がプロ球団で監督を経験していない。回を重ねるごとに各国が力を入れ始め、一流選手の参加が増えてきた「世界情勢」の変化と考え合わせれば、日本が厳しい戦いを強いられるだろうことは容易に想像できる状況だ。
ただ、考えてみれば、連覇を遂げた第1、2回大会も、日本は苦しい戦いの連続。そこをしぶとく勝ち抜いて最後に頂点に立った。その要因を改めて分析するとともに、今回のチームへの期待、戦いのポイントなどについて考えてみたい。
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