「真夏の戦い」全米オープンへの期待を語る松岡修造さん=東京都内【時事通信社】
テニスの今季最後の4大大会(グランドスラム=GS)、全米オープンが28日から9月10日まで、ニューヨークで開催される。日本のエース錦織圭の欠場はあまりに残念だが、力強く復活したロジャー・フェデラー(スイス)、ラファエル・ナダル(スペイン)の両ベテランがファンを沸かせそうだし、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)らのニューパワーが急速に台頭してきた。混戦が予想される女子を含め、試合を中継するWOWOWで解説者を務める松岡修造さんに大会の見どころなどを聞いた。
全米オープンの思い出を尋ねると、松岡さんからは少し意外な答えが返ってきた。「僕はけいれんですね」。真夏の終わりに開かれる大会。この時期のニューヨークはまだまだ暑い。同じ米国でも西海岸やシカゴなどと比べ、湿度も相当なものだ。シーズン最後のGS。厳しい暑さの中で連戦をこなしてきた選手たちも「最後のGS。どうにかしたい」と力が入る。疲れや故障の不安を抱えていない者の方が少ないだろう。この厳しい条件が選手たちの肉体に容赦なくのしかかる。「昨年の大会も途中棄権者が多かった。(暑さや湿度といった)天候も戦いを左右するでしょう」
今季GSの男子はフェデラーが全豪を7年ぶりに制し、全仏ではナダルが3年ぶり10度目の頂点に。そしてウィンブルドンでは、全仏などクレーコートのシーズンを休養して英気を養ったフェデラーが5年ぶり8度目の王座に就いた。今季の男子テニスシーンを振り返れば、この両ベテランの活躍がひときわ輝きを放つ。
本来なら優勝候補に挙がるはずのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が右ひじの負傷、昨年の覇者スタン・バブリンカ(スイス)が左膝の手術でそれぞれ欠場。アンディ・マリー(英国)も体調に問題を抱えて万全ではない。2014年準優勝、昨年4強の錦織の快進撃に期待したいところだったが、右手首の故障で今季の戦いを終える決断を余儀なくされ、日本のファンの大きな楽しみが大会を前に消えてしまった。そうなると、話題はますます、フェデラーやナダルのプレーぶりに集まる。
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