選挙当日の開票速報を見る際に、ぜひ注目してほしい点が3つある。
一つ目に、選挙のカギを握る激戦州である。
ご存知の方も多いと思うが、アメリカの大統領は、得票数ではなく、各候補が獲得した「選挙人」の数で決まる。
選挙人とは、有権者の投票に基づいて正式に大統領を選ぶ代理人のような存在だ。各州には、人口に応じて選挙人の数が割り当てられている。ほとんどの州では、有権者から最多票を得た候補が、全ての選挙人を獲得する。過半数270以上の選挙人を獲得した候補が大統領に選ばれる。
なので、全米で有権者から最も票を集めた候補が勝つとは限らない。一部の州で大差で勝つよりも、僅差で多くの州を得た方が有利になる。2016年の選挙では、総獲得票数ではトランプ氏がクリントン候補を300万票も下回ったが、中西部の激戦州を制し、選挙人の数(304対227)では上回った。
今回の選挙で、勝敗を分けると予想されるのは、ペンシルベニア州(選挙人20)、フロリダ州(29)、ウィスコンシン州(10)、ミシガン州(16)。米西海岸時間の3日午後9時(日本時間の4日午後2時)くらいには、これらの州の結果次第で、勝者が判明するかもしれない。
現時点では、バイデン候補が上記の4州でリードしている。最も僅差のフロリダ州でも、バイデン氏が70%の確率で勝つ、とファイブ・サーティー・エイトは予想している。(10月20日時点)
二つ目の注目点は、連邦議員選挙だ。
厳格な三権分立を採用するアメリカでは、議会の協力なしに大統領が政策を実現するのは難しい。予算を含め、法案の成立には、上下両院での承認が必要となる。
現在は、上院は共和党、下院は民主党が過半数を占める。下院は、ほぼ確実に民主党が過半数を維持し、上院は74%の確率で民主党が過半数議席を得るとファイブ・サーティー・エイトは予想している。
もしバイデン候補が大統領に当選し、両院も民主党が得た場合、急ピッチで改革が進められるだろう。
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