卓球日本女子のエース伊藤美誠(スターツ)が、東京五輪で金メダルを目指して団体、シングルス、混合ダブルスの3種目に挑む。最大の武器は、今や代名詞になった「多彩な技術」。今年のワールドツアーが始まり、中国勢らとの駆け引きも激しさを増す中、その「自分らしさ」をどう追求しようと考えているのか。ツアーの合間、練習拠点の関西卓球アカデミー(大阪市北区)に伊藤を訪ねた。(時事通信社・若林哲治)
今季最初のツアーとなったドイツ・オープン(1月28日~2月2日)。シングルスは丁寧(中国)に1-4で敗れて4強入りを逃した。
-五輪代表に決まって最初のツアーということで、昨年までと気持ちの違いは?
「そこまでは感じなかったですけど、対戦相手はすごく五輪に向けて調整してきていると感じました。丁寧選手は、まだ五輪代表には決まっていないですけど、去年とは違うと」
-丁寧選手との試合はどんな狙いで。
「いろんなことをやってみようと。どういうふうにやったら自分の流れになるか、得点を取れるか。ラリーになったらほとんど私の得点になったのでサービス、レシーブからもう少し崩せていけたらと思いました。その意味で収穫もあった試合かなと」
-お互い、これまで以上にサービス、レシーブに神経を使っているように見えました。
「いろいろやって、何をした時にどんな展開になるのか、把握しておこうと思っています。いつものサービスでずっと勝てたら実力が上がった証拠にはなりますけど、相手も対策してきますし」
-五輪まで厳しい駆け引きが続きます。
「そう思いますね。自分は他の選手より技術が多彩だと思うんですよ。でも、試合で出せることが大事で、今回の丁寧選手との試合もそんなにいろいろできたわけではなくて、練習の時や、試合で調子の良い時に比べれば、いろいろ出せなかったので」
-練習でできても、世界のトップクラスとの試合ではできないことがありますか。
「もちろんあります。ただ、やろうと思えば絶対できると思うんですよ。そこは気持ちかなと。やろうと思ったら絶対できると思うので、その気持ちを試合の中で出せれば。前の自分みたいにもっと思い切りの良さを…。でも、前の自分は、できないから思い切りやってできるようにするという意味で、思い切りの良さを大事にしていたんです。今は、(練習で)できることによって(試合で)考え過ぎてしまって」
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