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日本の最東端「南鳥島」~絶海の孤島を訪ねて

海抜8メートル

 「日本最東端の南鳥島に行ってみませんか」。防衛省の広報担当者からこう声を掛けられたのは11月上旬のことだった。「なぜ今、尖閣諸島でも竹島でもなく南鳥島?」といぶかしんだものの、めったに足を踏み入れることのできない「絶海の孤島」を取材するチャンスをみすみす逃す手はない。すぐに日帰り取材ツアーへの参加を決めた。(時事通信社記者・安田剛史)

 南鳥島は、東京から南東に約1860キロ離れた、亜熱帯海洋性気候の小さな島だ。面積1.5平方キロ、一周6キロ、海抜8メートルの平らな島で、行政区分上は東京都小笠原村に属する。気象庁観測所と国土交通省関東地方整備局、海上自衛隊南鳥島航空派遣隊が置かれており、計二十数人が勤務。定住している人はいないが、今年6月、周辺の海域にレアアース(希土類)が大量に存在する可能性が指摘され、注目が高まった。

 11月21日早朝、総勢20人余りの取材陣を乗せた航空自衛隊のC130輸送機が空自入間基地を飛び立った。お世辞にも乗り心地がいいとはいえない機体に揺られること3時間半。小さな窓からわずかに見えた島の最初の姿は、まるで1本の白い線のようだった。

 上空に接近するにつれ、島全体の形が徐々に見えてくる。鮮やかな濃いブルーの海と、エメラルドグリーンの浅瀬。その中に、白い砂浜に囲まれた三角形の美しい島の姿がくっきりと浮かび上がって見えた。

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