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勝負を決めた一言

言葉巧みなレーガン

ロナルド・レーガン米代大統領=1988年1月27日、米ワシントン【AFP=時事】

 一九八〇年大統領選の際、ロナルド・レーガンがテレビ討論の最後で国民に向かって訴えた「あなたの暮らしは四年前と比べて、良くなりましたか」という発言を紹介しておこう。

 これは、現職だったジミー・カーターとの討論を締めくくるレーガンの最後の三分間スピーチの中で出てきた。レーガンは次のように話し掛けた。

 「来週の火曜日は投票日です。皆さんは投票所に行き、そこで立ち止まって決断するでしょう。その時、ご自身に向かって次のように問い掛けてはどうでしょうか。つまり、四年前と比べて暮らしは良くなったのかと。買い物は四年前より楽になりましたか。四年前より、失業者はいくらか増えていませんか。米国は世界で尊敬されていますか。安全は確保されていると思いますか。四年前よりわれわれは強いでしょうか」

 「もし、これらの質問すべてに対して、あなたの答えがイエスなら、あなたの選択は明瞭(めいりょう)でしょう。でも、もし、そうではないと感じるなら、過去四年間たどってきた道がこれから四年も続いてほしくないと思われるなら、別の選択肢があると私は申し上げたいのです……」

 決して、自分に投票してほしいと直接的に求めたわけではない。それでも、レーガンの心憎いばかりの単純明快な呼び掛けに、国民はインフレと失業者の増加に苦しんだカーター政権の四年間を改めて思い起こしたのである。投票日のちょうど一週間前に、たった一回の直接対決となったテレビ討論が設定されたのも効果的だった。

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