開幕までもうすぐ半年となる東京五輪で、初めて実施されるスポーツクライミング。2019年世界選手権複合で男子の楢崎智亜(23)=TEAM au=が金メダル、女子の野口啓代(30)=同=が銀メダルを獲得し、そろって五輪出場を決めた。普段は一緒に練習し、刺激し合う日本の男女エース同士が対談。競技の魅力や初代五輪金メダリストへの意気込みを語ってもらった。(時事通信運動部 岩尾哲大)
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◇「楽しい」気持ちは今も
―2人とも小学生時代に競技を始めた。当時の思いは。
楢崎 自由で楽しいというのが第一印象。遊んでいる感じでやっていた。スタートとゴールは決まっていて、その間は何をしてもいいよというのがクライミングのルール。そこが本当に今でも楽しいし、今のトレーニングで追い込んでいるけど、遊びとの境界線がはっきりしていない。トレーニングでも楽しくやっている。
野口 私はインドアクライミングから始めている。(家族旅行の際に)グアムで登ったのがきっかけ。外の岩場に行くようになったのは中学生になってからで、最初はずっと室内で登っていた。子どもの頃から木登りをしたり、屋根の上とかに登ったりして遊ぶのがすごく好きだったので、クライミングは遊びの延長。難しい木登りみたいな感じで、最初はすごく楽しくて始めた。その中でも私は大会が好きだった。大会に向けて逆算して練習して、調子を上げて本番でそれをテストするというか、やってきたことが合っていたのか、ちょっとずれていたのか、本当に調子が上がっているのかを大会で試す。その行程、ルーティンが楽しくて、長く続けてこられた。もちろん登るだけですごく楽しいけど、私は大会に出るのがすごく楽しかったので、ここまで楽しめていると思う。
―ロッククライミングとスポーツクライミング。魅力の違いは。
野口 結局は自分が登れない、登りたいものを登り切るというのは変わりないので、そんなに大きな差はないかな。
―楢崎選手もロッククライミングをするのか。
楢崎 たまに、シーズンが終わってリフレッシュしに行く。そこまで高難度のものを攻めたりはしていない。
野口 岩場の一番いい気温は春先とか秋とか。
楢崎 暑いと滑るので。岩は熱を持っているし。岩場は毎回環境が違うというか、景色とかも気持ちいい。
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