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コラム:「ハナ」と「智多星」
 スポーツ千夜一夜

「ハナ~奇跡の46日間」の一場面。ペ・ドゥナが演じたイ・プニ(リ・ブンヒ)=左=とハ・ジウォン扮する玄静和 (SUMOMO提供)

 準決勝を終えた玄静和(ヒョン・ジョンファ、韓国)の後を、報道陣が追った。私はその「先頭集団」にいた。彼女の言葉を聞いても韓国語は分からないが、決勝進出が決まった後の表情を間近に見たくて走った。

 控室へ向かう途中で、ふいに玄静和がしゃがみ込んだ。急ブレーキをかけてのぞき込む私の目の前で、うつむいた玄静和の右手が縦、横に動くのが見えた。7000万同胞の期待をその肩に背負った21歳のエースは、神に何を祈ったのだろう。

 1991年春、千葉の幕張メッセで行われた第41回世界卓球選手権大会に、韓国と北朝鮮が南北統一チーム「コリア」を結成して出場した。それ自体、歴史に残る出来事だったが、女子団体で中国の9連覇を阻んで優勝する快挙を成し遂げた。あれから22年。当時のチームを題材にした韓国映画「ハナ~奇跡の46日間」が、今春から日本でも上映されている。

 団体戦の方式や南北それぞれの選手の振る舞いなどがデフォルメされ、北の選手団を悪者にする脚色も多いが、実話を土台にしたフィクションとしては、感動的なドラマになった。玄静和役のハ・ジウォンもいいし、北朝鮮のエース、リ・ブンヒ(映画ではイ・プニと表記)に扮したペ・ドゥナのクールな演技もいい。実技指導で玄静和に鍛えられたプレーの演技も、なかなかだ。

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