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コラム:名峰に恥じぬよう
 スポーツ千夜一夜

夕日を背に、山中湖方面に影を伸ばす富士山(筆者撮影、2012年9月)

 やはり富士山の登山者が急増しているという。7月1日の山開きから例年より多くのハイカーが押し寄せ、静岡と山梨の県知事は先ごろ入山規制の検討が必要だとの考えを示した。本来なら世界遺産への登録を目指す段階で方向性を出すべき問題なのだが、今からでも将来を見据えた規制の検討は進めなければならない。

 私も山が好きで、ここ20年以上、夏は北アルプスの縦走などを楽しんできた。ところが昨年は8月にまとまった連休が取れなかったため縦走はかなわず、それなら短い連休で富士山にでも登ろうかという気になったのだった。

 こうして9月の第2週の平日、富士山に登った。地上に巨大な三角形の影を落とす「影富士」を8合目から見たときは本当に感動的で、別のルートも歩いてみたいと思った。しかし、最後は違うことを考えていた。「もう2度と来ないほうがいいんじゃないか」。7、8月のような大混雑はないけれど、人為的なストレスは思いのほか大きく、環境破壊の不安も強く感じたからだ。

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