コラム:オレのダンディズム
 スポーツ千夜一夜

2007年、日本ハムとの日本シリーズ第5戦で8回まで1人の走者も許さなかった中日の山井大介投手。落合博満監督が9回、岩瀬仁紀投手を救援に送った驚きの継投策は多くの議論を呼んだ=2007年11月1日、ナゴヤドーム【時事通信社】

 07年にはあの日本シリーズだ。日本ハムとの第5戦、八回まで完全投球だった山井に代え、九回に岩瀬を投入。史上初の継投による完全試合を成し遂げた。私はその取材チームに入っていて、試合後、観客席を回って落合監督の継投についてファンの意見を聞いた。十数人に質問して全員が「これが落合野球」と支持したのには驚いた。完全試合が目前だった山井を下げたことは全国的な議論を呼んだが、名古屋のファンの多くは落合イズムを理解していたということになる。

 08年にはワールド・ベースボール・クラシック日本代表候補を辞退した中日の選手をかばった。「選手は個人事業主。行きたくないやつを無理に行かせ、けがをしたら責任は取れない」。今年のオールスター第1戦では岩瀬を先発に起用。各球団の抑え投手やセットアッパー9人に1イニングずつを投げさせた。例年より1試合多い第3戦まであったことや、前後の日程の詰まり方を考慮し、チームによって選手の負担に差が出ないよう工夫した結果だろう。

 こうして見ると、選手を守って力を引き出し、勝利を目指す姿勢が明瞭に見てとれる。その軸は8年間、全くぶれていない。

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