コラム:オレのダンディズム
 スポーツ千夜一夜

日本シリーズ第7戦終了後、ファンにあいさつを終え、グラウンドを後にする中日の落合博満監督。優位を予想されたソフトバンクを相手に、守りの野球で食い下がった=2011年11月20日、ヤフードーム【時事通信社】

 すなわち、聞く耳を持つということは、周囲の声に合わせるのとは次元が違うということ。自分が納得できない意見であれば、聞き捨てにだってするということ。自身の判断に従い、時には非情に徹してやっていくということ―。

 落合監督が自らの判断や決断について語ろうとしないのは、もともと口が重い自分が中途半端に言葉で説明しても、得るものはなく、かえって不利益を生む原因になると割り切っているからだろう。言葉足らずが誤解や曲解を招く可能性は当然あるのだが、そこは百も承知のはずである。どんな批判を受けようと、勝つために支障となるものは徹底して排除していく覚悟が見える。

 だから落合監督の意図が伝わってこない場合、人々は面食らう。彼が指揮を執った8年間を振り返れば、まさにそうした例の連続だった。

 2003年オフに就任したときは、「今いる選手が力を10%アップすれば優勝を狙える」と宣言し、フリーエージェント選手などの補強をしなかった。翌04年は、過去3年間に一度も1軍登板のなかった川崎を開幕戦の先発に起用。そして公約通りにリーグ優勝も遂げた。コーチ経験がない新人監督がペナントをつかむ快挙だった。

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