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コラム:明日があるさ山がある
 スポーツ千夜一夜

水が豊かな上高地の自然探勝路【筆者撮影】

 カラフルなレインジャケットを着たお嬢さんが、にっこり笑っている表紙。このところ書店に行くと、そんな感じの女性向けアウトドア雑誌をよく見かける。中味は①お勧めのトレッキングコースと山小屋の情報②アウトドア・ファッションのコーディネート③山で食べるおいしいご飯の作り方―などが定番メニューのようだ。

 「山ガール」と呼ばれる若い女性登山者が増えているという。1960年代から70年代にかけてのカウンター・カルチャーや自然回帰は、社会不安が背景にあったといわれるけれど、今の日本も未来への不安で視界は不透明。長い不況で気分がふさがり、そこへ大震災が追い打ちをかけた。野山に「癒し」やリフレッシュの場を求める人が増えるのも分かるような気がする。

 この夏、上高地から涸沢経由で穂高岳を縦走してきた。北アルプスを訪れたのは6年ぶり。確かに若い女性ハイカーは増えている。

 レインボーストライプとでもいうのか、以前はなかった多色使いのウエアをあちこちで見かけるし、雑誌から抜け出たようなファッションのカップルもいた。なかにはジーンズ姿の人も。デニムは雨や汗で濡れると肌にまとわりつき、乾きにくいうえに重くなる。気象条件によっては体温が奪われて危険なことをご存じなのだろうか…。

 さすがに徳沢を過ぎると山慣れた感じの人が多くなるが、その翌日、年輩の女性ハイカーが遭難しかけた現場に出くわすことになった。

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