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コラム:あえて故郷に背を向ける
 スポーツ千夜一夜

球団旗をバックにポーズをとる城島健司捕手。古巣ソフトバンクではなく、縦じまのユニホームにそでを通した(2009/11/13)【時事通信社】

 米大リーグのマリナーズで4年間プレーした城島健司捕手(33)が、日本球界に戻った。復帰先に選んだのは、かつて在籍したソフトバンクではなく阪神。長崎出身の城島にとってソフトバンクは故郷同然のチームであり、裏切られた気分のファンもいたかもしれないが、長い目で見れば、悪くない選択だろうとみている。
 メジャー移籍のため渡米したとき、城島は「日本に帰るならホークス」と自分でも疑わなかったという。ところが当のソフトバンクは今回、獲得の意思を表明するまでかなり時間がかかった。城島は、いちはやく名乗りをあげた阪神の熱意に応えた。
 強肩と経験、打撃力とリーダーシップを備えた捕手。いくつも武器のある城島が加われば、大きな力になることは間違いない。しかしソフトバンクは今年、チーム最多の26本塁打を放った田上が正捕手に定着した。盗塁阻止率などに課題があるとはいえ、そこに何億円も使って城島を迎え入れるのはコストパフォーマンス的に疑問符がつくし、チームに無用の心理的なさざ波も立てかねない。球団が獲得に積極的になれなかったのは理解できる。

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