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コラム:ボラの意地
 スポーツ千夜一夜

9月のロッテ戦で同点の3ランを放つソフトバンクの田上【時事通信社】

 福岡のヤフードーム記者席はエレベーターで3階のレベルにあるから、グラウンドの選手は小さくしか見えない。しかしそのときは、一触即発の空気が流れているのが遠目にもよく分かった。
 ホームベースを挟み、にらみ合うオリックスの松山秀明外野守備・走塁コーチと、ソフトバンクの田上秀則捕手。松山コーチが前傾気味に立ち、田上も一歩も引かない。そんな構図だった。
 9月1日のソフトバンク―オリックス戦。オリックスの2番打者・大引が左手首に死球を受けた際の一幕だ。オリックスは7月のソフトバンク戦でもラロッカが死球を受けて右手を骨折している。その恨みも背景にあり、投手をリードする捕手に怒りの矛先が向けられたのだ。
 どんなやりとりがあったのか、翌日、田上に尋ねた。彼にも当然、主張があった。
 「一度謝ったのに、またしつこく言ってきたので。こっちも言わせてもらいましたよ。内角も攻めなきゃ仕事にならんですから。野球に死球はつきものだし、僕が球を投げたわけでもない」

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