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コラム:名門の消滅に思う
 スポーツ千夜一夜

アジアリーグ決勝を最後に歴史にピリオドを打つことになった西武の選手たち。試合後、無念の表情で観客にあいさつする(2009/03/23、東京・ダイドードリンコアイスアリーナ【時事通信社】

 アイスホッケーの名門西武がこの春、解散した。百年に一度といわれる不況の時代。何が起きても不思議でないのかもしれないが、それにしても、と思う。愛すべきこの競技は今後、どう活力を取り戻していくのだろう。先行きがどうにも心配になってくる。
 日本のアイスホッケーはこの10年ほど危機的な色を深めてきた。1999年に古河電工、2001年には雪印が廃部。どちらもクラブチームに衣替えしたが、雪印の流れをくむ札幌は、わずか1年で日本リーグ参戦を断念した。
 そして03年には西武鉄道も廃部に。もともと兄弟関係だったコクドと一本化され、後に名称が「西武」に変更された。日本代表の供給源でもあった両チームが消滅したことは、関係者に大きな衝撃を与えた。
 長く日本リーグの6チーム体制を支えてきたメンバーの半分が消えたことになる。03年からは韓国などのチームも交えた「アジアリーグ」をスタートさせ、日本リーグに代わる枠組みとした。しかし、西武が消滅したことで、競技を取り巻く空気がさらに冷えたことは間違いない。流れを変える有効策を打ち出せないまま、悪い方向へ加速しているように見える。

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