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知って防ごう熱中症~夏のスポーツを楽しむために

体調管理をしっかり

―具体的な体調管理の方法は?

 熱中症で亡くなった子どもは、ほとんどが運動前からの体調不良が原因です。多くの指導者は、子どもたちに自分の具合はどうかを聞いてはいますが、集団の中では調子が悪くても、なかなか手を挙げられないようです。「体調チェックリスト」などを用意して、トレーニング前か終了後に記入するような習慣を取り入れることを推奨します。日々の体調を把握することは、より効果的なトレーニングを進めるためにも重要です。

―保護者が注意すべきことは?

 どんな季節であっても、子どもの体調に一番気を使わなければいけないのは、言うまでもなく家庭の親御さんです。暑さの厳しい日に注意してほしいのは、下痢や発熱といった症状。下痢は脱水傾向になるため、体温調節にとってはリスクの高い症状です。子どもが大丈夫と言っても、無理をさせてはいけません。また、肥満度の高い子どもは、特に注意が必要です。同じ環境であっても相対的放熱面積(体重当たりの体の表面積)が狭く、熱がこもりやすい。死亡例の約7割を占めています。

―熱中症予防活動の取り組みは?

 各地で熱中症予防の指導者講習会を開き、ガイドブックも配布しています。昨年からはテレビ会議システムを利用した「スポーツ少年団 LIVE ON SEMINAR」も開催しており、スタジオでの講義が各地の会場とつながって、質疑応答も行えます。熱心に取り組んでいる指導者とのやりとりは大変に有意義。指導者も世代交代があるので、こうした活動は継続することが大切です。
 子どもたちにとってこの時期、特に夏休みのスポーツ活動で汗をかくことは貴重な体験になります。厳しい暑さが続くのは2カ月ほどですが、熱中症予防の正しい知識をしっかり身に付け、夏のスポーツ活動を積極的に楽しんでもらいたいと思います。

取材協力:公益財団法人 日本体育協会

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