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知って防ごう熱中症~夏のスポーツを楽しむために

35度以上は原則中止

―運動を中止する気温は?

 熱中症予防運動指針では、35度以上の場合は「原則運動中止」としています。「特に子どもの場合には中止すべき」という一文を新たに付け加えました。かつては真夏でも35~40度という気温はめったに経験はしなかったものですが、最近はそう珍しくもなくりました。そんな時に大人と同じような運動を強制してはいけない。大人だってやめます。

―高温の日は中止にすればよいということか?

 危険があると言うと、ネガティブに考えてしまいがちですが、夏のスポーツ活動は子どもたちの成長にとって大変重要です。危険なのは体温調節機能が十分に発達していないから。小学校高学年から中学生にかけてのいわゆる思春期に、体格や筋肉、骨もしっかりしてくると同時に、発汗機能も発達してきます。発汗機能もある程度鍛えないといけません。二律背反しますが、教師や指導者は子どもたちに「無理をさせない」ということを徹底してほしいのです。

―指導者が注意することは?

 昔は日常の遊びを含めた個々の活動の中で、暑さに対する自己抑制や判断力が一定程度は培われてきました。今は決められた時間に、決められた場所、そして集団で行うスポーツ活動が多い。指導者側が暑さへの対処法の知識をしっかり持って、判断してあげることが求められます。水分補給さえしておけば、熱中症の予防になるという誤解がある。「きょうは暑くなるから水をちゃんと取れよ」。これが予防と思って安心してはいけない。子どもの体調を管理することが最も重要になってくるのです。

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