中国の包囲網から得た収穫 卓球・伊藤美誠に聞く

反省生かし、上を向いて

 卓球女子の全日本チャンピオン伊藤美誠(17)=スターツ=が2018年7、8月の国際卓球連盟(ITTF)ワールドツアー3大会で、シングルス6試合のうち5試合を中国選手と戦った。おそらく今、中国から最もマークされている日本選手。対中国勢2勝3敗だった夏の戦いから、今後に向けて得たもの感じたことを聞いた。

 ◇ ◇ ◇

 7月のオーストラリアオープンはシンガポールのリン・イエ(22)を下した後、中国の何卓佳(20)に2―4で敗れ、8月のブルガリアオープンも王芸迪(21)に2―4で敗れた。続くチェコオープンは劉高陽(22)を4―1で下し、張瑞(21)には3−0から追い付かれたものの競り勝ち、文佳(29)には3―4で逆転負けして3大会が終わった。

 ―厳しい戦いでしたが。

 「思うような試合が、特にオーストラリアではできなくて…。ブルガリア、チェコは反省を生かして自分のプレーを取り戻せたので、ああ、ここが必要なんだということを教えてくれた大会でした」

 ―オーストラリアの反省とは。

 「精神的な面で、(ゲームを)負けたり点数を取られたりしたときに落ち込む頻度が多くて。以前は口角を上げたり笑ったり、上を向いたりしていたんですけど、イライラして、実力だけでなく精神的な部分でも負けて、このままじゃ勝てないと。ブルガリア、チェコではうまくいかないときでも口角を上げて上を向いて、という思いでできたので」

 ―何卓佳選手とは過去に対戦しています。福原愛選手(ANA)のダミーをしていたこともある選手ですね。

 「結構やりづらいところも福原さんに似ています。バック側が粒高(つぶだか)というカットマン用のラバーで、粒高は普通(打球を)止める使い方が多いんですが、打ってくる。粒高であんなに打てる。ミスをしないし、粘ってくる」

 ―今年は全日本選手権3冠、世界選手権団体戦での活躍、ジャパンオープン荻村杯優勝と好成績が続き、ピンチでも落ち着いている印象でしたが、今回は今までと違う攻め方をされたのですか。

 「中国人選手はボールの質やパワーで相手にミスをさせにくるんですが、あの選手は自分が絶対にミスをしないで振り回してくる。自分から仕掛けた時もミスをしないし、ブロックもうまい。打っても何本も返ってきて、思い通りにさせてくれないので、イライラしていました。いつも、ミスをしたら自分の中で変えていくんですが、変えても変えても入らない」

 ■粒高ラバー 「イボ高」ともいう。ゴムの平らな面をスポンジと貼り合わせ、もう一方の粒が並んだ面で打球するラバーを表ソフトと呼ぶが、粒高は表ソフトの粒を長くしたもの。ボールが当たると長い粒がさまざまな方向へひしゃげて反発するため返球が複雑に変化し、相手の打球を止めるときやカットするときは威力を発揮する。半面、打球をコントロールしづらいのでスイングして打つには扱いが難しい。

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