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尖閣諸島緊張の海

衝突で日中間の懸案に

 尖閣諸島・久場島沖の東シナ海で9月7日に起きた中国のトロール漁船と海上保安庁の巡視船との衝突事件。停船命令に従わず、日本の領海内から漁船を衝突させて逃走したとして、公務執行妨害容疑で中国人船長が逮捕された。

 しかし、中国側は「即時無条件釈放」を要求。対抗策として、閣僚級以上の交流停止、日中ハイレベル協議の拒否、「さらなる行動」の用意など、対日強硬姿勢を鮮明にし、那覇地検は24日、「日中関係などを考慮」、処分保留のまま釈放すると発表した。

 日本政府が「尖閣諸島に領土問題は存在しない」としているのに対し、領有権を主張する中国政府は、今回の事件について「中国の領土・主権に対する重大な侵犯だ」と強く反発。東シナ海に浮かぶ無人の島が今、ガス田開発も巻き込み日中間の大きな懸案となっている。

 尖閣諸島の行政区は沖縄県石垣市に属し、石垣島から160キロ、沖縄本島からは420キロの距離だ。一方で、中国本土まで380キロ、台湾までは200キロしかない。

 東シナ海の警戒・監視活動を行っている海上自衛隊第5航空群の哨戒機P3Cに同乗し、尖閣諸島を取り巻く緊張の海を上空から取材した。

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