インタビューに答えるみんなの党・渡辺喜美代表(東京・永田町の衆議院第2議員会館)2011年5月17日【時事通信社】
-首相は代わるべきか。
ここまで危機管理を間違えてしまったら当然だ。私は地震の翌日、首相に「メルトダウン(全炉心溶融)が起きているのではないか」と言ったが、首相は「メルトダウンではない。放射能漏れが発生する状態ではない。冷却水の水位が回復し、管理された状態にあり、大丈夫だ」と述べた。その直後に1号機の水素爆発が起きた。専門家の常識を軽視する「偽りの発表」が続けられた。
-自民党は内閣不信任決議案を出す構えだが、民主党内の分裂が進んでおらず、可決されるとは限らない。政局の展望は。
日本の政治のゆがみは「何をやるか」でなく「誰がやるか」を優先してきた結果だ。「菅さんの後を誰がやるか」と考えるから思考停止してしまう。「何をやるか」を考えればいいだけだ。
これから国会会期末に向け、東日本大震災復興構想会議の中間報告が出る。その中で間違いなく増税の話が出てくる。復興財源を増税に頼らない議員の会が近々発足するが、こういう議員集団がテーマごとにいくつもできたらいい。菅さんの首を切って「誰がやるか」ばかりに走るから、国民も「いいかげんにしろ」と思う。菅内閣では駄目と言うなら、菅内閣と違う何をやるのか。これが政治を動かす原動力にならなければいけない。
こういう発想でやっていくうちに、政局が動き始め、政界再編が起きる。その結果、内閣不信任案が通る。「今は解散どころじゃない」と菅内閣が退陣したら、国会の首班指名の時に、自民党からも民主党からも候補者が出て「私はこういうことをやります」と立会演説をやればいい。民主党が分裂し、菅さん自身がまた立候補するかもしれない。
-その場合、みんなの党はキャスチングボートを握る戦略か。渡辺氏自身が名乗りを上げることは。
菅内閣が誕生した時の首班指名では「渡辺喜美」と書いた。私が出ることもあり得る。(続く)
バックナンバー
「国民の景色、首相に見えず」 山尾志桜里氏
(16/04/14)野党再編どう進める? 江田憲司氏
(16/01/06)南シナ海で警戒監視活動を 長島昭久氏
(15/11/13)「イスラム国」の宣伝に利用された 小池百合子氏
(15/03/03)自衛隊の中東紛争介入を懸念 山崎拓氏
(15/02/27)けんかできる知事選べ 大田昌秀氏
(14/11/13)移設停滞なら同盟に傷 森本敏氏
(14/11/10)ガイドライン見直し先行は国会軽視 長島昭久氏
(14/10/29)集団的自衛権、日米で中国抑止狙う 守屋武昌氏
(14/07/30)経団連、献金関与の再開検討 中村芳夫氏
(14/07/01)目前に「引き返せぬ地点」 半藤一利氏
(14/06/26)解釈改憲「将来に禍根残す」 山崎拓氏
(14/05/15)脱原発へ、うねり広げる 細川護熙氏
(14/04/25)「小泉頼み、やめた方がいい」 古賀茂明氏
(14/02/17)都知事選は細川、小泉氏「最後の仕事」 田中秀征氏
(14/01/21)秘密法案「官権政治」強める 田中秀征氏
(13/12/09)集団的自衛権行使、慎重な議論を 山口那津男氏
(13/10/04)対北朝鮮「安倍政権のセンス疑う」 山崎拓氏
(13/07/12)新着
会員限定