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山崎元自民副総裁インタビュー
 政界インタビュー

自衛隊は米の「警察犬」?

インタビューに応じる山崎拓元自民党副総裁【時事通信社】

 -オバマ米大統領は、集団的自衛権行使の検討を歓迎し、支持したが。

 米国は財政上の制約もあって「世界の警察官」であることができなくなっている。オバマ大統領は、米国が今や「世界の警察官ではない」と表明した。米国の軍事力が弱体化し、それを日本の自衛隊によって埋めようというのが歓迎の意味だ。日本の自衛隊は悪く言えば、米国の「警察犬」になるということだ。世界中に展開している米軍がどこかで戦うことになれば、日本の自衛隊も一緒に戦うということに将来なりかねない。つまり、インド洋、中東、欧州にせよ、自衛隊が海外に出るときは派遣ではなく、派兵になる。

 一番あってはならない事態は米中戦争だが、もし米中戦争が起これば、日本の自衛隊は米国と一緒に戦うことになる。中国はそういう事態の可能性があるとみて、日本の動きを疑っている。

 日中の軍事衝突は米中の軍事衝突になり、ひいては、日中戦争、米中戦争、日米対中国の戦争になる。この恐ろしいシナリオが尖閣をめぐって想定され、誰も口には出さないが、日米中3国が心配しているのは事実だ。あってはならないことなので、日本は外交の力で、中国に対し自重を求めなければならない。ところが、日中首脳会談もできない状況だ。

 私が提案する憲法改正では、9条第1項は変えない。憲法改正の目的は日本が軍隊を持てるように改めること。今の自衛隊は軍隊ではないという解釈になっているが、あまりにも実態とかけ離れていておかしい。「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」となっているが、自衛のために戦力の保有は認める。その自衛には個別的自衛権と集団的自衛権があり、どちらの意味も含んでいる。(続く)

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