インタビューに応じる山崎拓自民党元副総裁=都内の事務所【時事通信社】
自民党の山崎拓元副総裁は時事通信のインタビューに応じ、安倍政権の経済政策に対する有権者の高い期待感は当分続くとの見通しを示した。一方、対北朝鮮に関しては「拉致問題の解決のみを北朝鮮政策としているかのように見える」とし、「支持できない。センスを疑う」と述べた。インタビュー要旨は次の通り。
-安倍政権をどう評価するか。
内閣支持率が高いのは、まず民主党政権に対する失望感が有権者にあるからだ。それは根深く国民心理に入り込んでいる。反作用的に自民党政権に対する期待感が高まり、当分この期待感は消えそうにない。
安倍政権の政策課題として、経済再生、デフレ脱却を掲げたことが、国民に歓迎されている。国民は長期の経済停滞に鬱屈(うっくつ)していたが、そこへ明るい展望を掲げた。「アベノミクス」も国民に浸透し、好感されている。円安・株高といった経済現象によって、あたかも立ちどころにアベノミクスが功を奏したかのような、錯覚めいた印象を与えたが、実体経済を見ると、まだ景気は回復しているわけではない。期待感が続く限り、高支持率は続く。仮に円高・株安に振れると、安倍内閣の支持率も下がる可能性がある。
-国民総所得(GNI)を10年間で150万円増とするなど、安倍内閣の成長戦略はどこまで実行できるか。
「景気は気から」という。「気」は期待感だ。池田内閣の所得倍増計画も10年計画だった。1人当たりのGNIを10年間で150万円増にするという点はかなり批判され、あまり信じる者はいなくなった。アベノミクスの「三本の矢」の一つである成長戦略分野は将来展望の話で、国民が期待しているのは事実だ。これはすぐには効果が出てこない。スパンの長い話だ。実体経済は直ちに所得増、雇用増とはならない。期待が失望に変わる可能性はある。(続く)
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