インタビューに応じる公明党の山口那津男代表=東京・永田町の参院議員会館【時事通信社】
公明党の山口那津男代表は時事通信のインタビューに応じ、安倍晋三首相が意欲を示す集団的自衛権の行使をめぐる憲法解釈の変更について「国民の理解を得ることが一番大事だ」と述べ、政府側の十分な説明や慎重な議論が必要との認識を示した。発言要旨は次の通り。
-先の訪米(9月8~13日)で、集団的自衛権の行使に関する公明党の姿勢について、どう説明したか。
米国の講演で「公明党内には集団的自衛権の行使に慎重な意見があるが、その理由は」という質問を受けた。日本政府の方針として、海外で武力を使わないということは、国民にも国際社会の中でも定着している。これを変えようというのであれば、なぜ変えるのか、どのように変えるのか、変えた結果、国民や同盟国の米国、近隣諸国に対してどのような影響が及ぶのか、慎重に議論しなければいけない。私は結論については予断を持っていない。今、安倍首相の下で懇談会(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会=安保法制懇)をつくって議論が始まったが、これは首相の私的諮問機関だから、政府・与党の取り組みではない。最終的には国民の理解を得ることが大事だ。また、近隣諸国や同盟国の理解を促す努力も求められるだろう―と説明した。
-安倍政権は憲法解釈の変更による集団的自衛権の行使容認に動いている。これは、憲法改正によるべきだとの声も強い。公明党は解釈改憲に否定的な意見が多いが、代表自身の考えは。
われわれは、政府の方針を支持・尊重した上で、たくさんの法律をつくったり変えたりしてきた。国連平和維持活動(PKO)協力法、国際緊急援助隊法、武力攻撃事態法、イラクやアフガニスタンの特別措置法。(憲法に関する)今の政府方針というのは、かなり強固で整合的で体系的なものだと思っているし、定着している。
小泉純一郎首相(当時)は(集団的自衛権の行使に関する)政府の答弁の中で(憲法解釈変更に)非常に慎重な意見を示している。憲法レベルのルールを変えることに抑制的な姿勢を出したものだ。それと違うことをやろうというのであれば、国民の理解を求めることが必要だ。(続く)
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