インタビューに答える民主党の渡部恒三元衆議院副議長(東京・永田町)2009年12月22日【時事通信社】
-小沢氏は変わったと思うか。
小沢君はパフォーマンスが一番嫌いな男だった。ここのところ、パフォーマンス好きになったなあ。昔の小沢君だったらあんなことはしなかった。昔は実力は小沢とみんなが認めても「そんなじゃないよ」と言って陰に隠れているところに小沢君のよさ、値打ちがあったんだからねえ。かつて中曽根内閣のときの金丸(信元自民党副総裁)さんも力があったけど、金丸さんは一切表に出しゃばることはなかった。力を持っているほど表に出ない。これが日本の政治だったんだよ。
-小沢氏は最近、将来の首相就任の可能性に言及している。
小沢君は昔は(首相に)なりたがらなかった。宮沢内閣の前、一晩小沢君に「総理をやれ」と言ったんだけれども、「絶対駄目だ。なべさん、勘弁してくれ」と言って宮澤内閣ができたんだよ。なるつもりならいつでもなれたんだから、これは不可思議だ。
-民主党の現状を「大政翼賛会」と指摘したが、この状態は続くか。
続かないね。国民は賢いから、ちゃんと見ているから。国会議員も今はじっとしているけど、いずれ「おれは国民の代表だ」という責任を感じて行動する時がくるよ。だからそんなに悲観していません。国会議員というのは侍なんだから。兵隊じゃないんだから。10万人の有権者の投票で(国会に)出てきているんだもん。わたしは民主党の若い議員に期待しています。そんなに時間がかからないうちに、必ず良識を取り戻す。
-自民党は復活するか。
もう自民党はなくなってしまうんじゃないの。見ていると、あまりにも情けない。(細川政権が発足したときも自民党からの離党者が)いっぱいいた。しかし、政権を失ったらバーッと戻ったな。要するに自民党議員のほとんどは自民党も民主党もないんだ。政権党でなければ生きていけないんだ。また、ぞろぞろ、ぞろぞろ(離党して)来るんだろ。
-受け入れるのか。
衆院はもういらないけど、参院は受け入れていい。ちょっと足りないんだから、2、30人は受け入れていいんじゃないか。
-自民党の消滅は目指していた姿と違うのでは。
自民党がなくなってしまったときは、民主党を二つに割って二大政党をつくるしかないわ。一党独裁では絶対駄目だもん。大政翼賛会になっちゃ、国民の皆さんに申し訳ない。
-そのときは政界再編の旗印になるのか。
場合によってはね。
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