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スキー・ジャンプ高梨沙羅に聞く

「ゼロから」のシーズン

 ノルディックスキー・ジャンプ女子の高梨沙羅(22)=クラレ=が山形市で行われたワールドカップ(W杯)蔵王大会を終えた後、時事通信の単独インタビューに応じた。

 2018年2月の平昌五輪銅メダリスト。W杯で男女を通じ歴代最多の55勝を誇る日本のエースも、18~19年シーズンは蔵王大会最終日のW杯個人第9戦を終えた時点で未勝利。五輪翌シーズンの今季は「ゼロから仕切り直す」と宣言し、トレーニングや技術の試行錯誤を重ねている。とはいえ、第一人者として勝利という結果も欲しい。本心の葛藤に揺さぶられながらも、欧州でのW杯後半に向けて意欲を口にした。【運動部 山下昭人】

 -シーズンは半ばを過ぎて自己評価は。

 「今季は五輪を終えて1年目ということで、自分と向き合って弱いところにも目を向けて、自分に合ったものを見つけられたらいいなと思いながらシーズンを過ごしてきています。失敗することの方が多いですけど、たくさんのことを学ばせてもらっている。収穫が多い前半の試合だったかなと思います」

◇金メダル逃したから

 -ゼロから仕切り直す、と決めた経緯は。

 「やはり平昌五輪で目標だった金メダルを取れなかったのが大きかった。そこでトップを取るためには今の自分の技術では通用しないと思いましたし、自分を変えていかないとこの先世界では戦っていけないということを感じた。春からトレーニングを見直しましたし、技術面も今までのベースを一回クリアにした」

 -アスリートとして高みを目指すのは楽しい面もあるか。

 「いろいろ試す中で自分のアイデアややりたいことがうまくはまった時はやりがいを感じるし、楽しいなと思う時。ただ、失敗の繰り返しが続いてしまうと苦しい時もあります」

 -自分のジャンプが崩れるリスクがあっても、大胆な見直しに迷いや不安はなかったか。

 「もちろん不安が全くなかったわけではないんですけど、変えていかないと何も始まらないと思いました。(五輪を終え)1年目ということで、挑戦するなら今だと思いました」

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