ラミンは、「オペラ座の怪人 25周年記念公演」のDVDプロモーションで12年に初来日した。以来、昨年亡くなったブロードウェーの巨匠、ハロルド・プリンスが手掛けた作品で構成、日本で初演された「プリンス・オブ・ブロードウェー」や、コンサートなど、日本での活動が広がっている。
「同じことばかりやりたくないし、成長したい。日本にはロンドンやニューヨークとも違う、独特の演劇の文化があり、魅力を感じる。僕のような人間がたびたび来日できるようになってきたのがうれしい」とラミン。せりふ劇にも意欲を見せ、いつか、「欲望という名の電車」のスタンリー役を演じたいという。「俳優にとって、『マクベス』のように自分の力を測る指標のような作品。年を取り過ぎないうちにやりたい。そのために筋力トレーニングを続けているんです」
今回の「CHESS」を日英の混成キャストで上演する狙いは、日本のミュージカルのさらなる底上げだ。公演を製作する梅田芸術劇場の村田裕子取締役は「曲の美しさと作品の対立構造を、いろんな人種でやることで表現できると思った。日本の人口が減っていく中で、マーケットをグローバルに広げないといけない。いつでもウエストエンドやブロードウェーに(作品を持って)行けるように、体力とスキルとプロデュース能力を高めたい」という。
例えば、フローレンス役のサマンサ・バークスは、「レ・ミゼラブル25周年記念コンサート」と映画「レ・ミゼラブル」(12年)でエポニーヌ役を演じ、今秋ロンドンで開幕する「アナと雪の女王」でエルサ役を演じることが決まっている。「世界のレベルでプロデュースしながら、お客さんに楽しんでもらえるように呼んだ。それが、5年後、10年後に効いてくる」と村田取締役は力を込める。「日本でただコンサートをやるのではなく、ここで演じるのが楽しい」と話すラミンにも、その思いは伝わっている。(2020.1.24)(了)
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