チェスに重ねる冷戦下の人間模様 ラミン・カリムル-に聞く

独学で道を開く

 ラミンはイラン革命下のテヘランで生まれた。生後2カ月で家族とイタリアに渡り、さらにカナダに移り住んで成長した。そんな生い立ちも、役作りに生かすつもりだ。

 「『アンセム』は僕にとって大きな意味を持つ特別な歌。このミュージカルが再びヒットしたら、『レ・ミゼラブル』の主題歌『民衆の歌』に匹敵するほどの力強さがあると思います。僕たちは、軍国主義的な意味ではなく寛大な心で祖国を誇りに思うことを忘れ始めています。古里という言葉には何か美しい響きがある。僕はいろんな国に住んできたから、どこにその思いを込めるだろう。どこが古里か分からないからこそ、この歌の歌詞が好きなんです」

 ラミンが俳優を志したのは、カナダに住んでいた12歳の時。課外授業で「オペラ座の怪人」を見に行き、魅了された。この時の怪人役は、「レ・ミゼラブル」のロンドン初演でジャン・バルジャンを演じたコルム・ウィルキンソン。後に2人は2010年にロンドンで行われた「レ・ミゼラブル 25周年記念コンサート」で同じ舞台に立った。

 ラミンは、クルーズ船のショーのパフォーマーを経て、渡英。独学で演技や歌を学び、02年に「レ・ミゼラブル」のフイイ役でロンドンの劇場街、ウエストエンドでデビューを果たした。「オペラ座の怪人」のラウル役、「ミス・サイゴン」のクリス役などでキャリアを重ね、28歳の時に、史上最年少で「オペラ座の怪人」の怪人役を演じ、少年時代からの夢を叶えた。

 14年には新演出の「レ・ミゼラブル」で米ブロードウェーデビュー。翌年のトニー賞でミュージカル主演男優賞にノミネートされた。「キャリアが広がるのはありがたい。いろんな新しいチャレンジができて、うまくいっても、失敗しても、何か学ぶことがあり、成長できるから」

 ◆ラミン・カリムル- Ramin Karimloo 1978年9月19日生まれ、イラン出身。ロンドンやブロードウェーで俳優として活躍。バンドを率いて音楽活動も行っている。昨年、ミュージカルの楽曲をカバーしたアルバム「フロム・ナウ・オン」(ソニー)をリリース。今年4~5月には東京と神戸で行われる宝塚歌劇団雪組トップスター、望海風斗のライブツアー「NOW! ZOOM ME!!」にゲスト出演する。

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