深刻な目の病気。失明してしまうかと思うと夜も眠れない方も多いことでしょう。そこで、わかりやすい説明に定評があり、緑内障や黄斑変性に関する著書がある眼科専門医の平松類医師に、患者やその家族から多く寄せられる目の病気に関する質問をピックアップし、2回にわたって答えてもらいました。2回目はいま患者が急増中の黄斑変性・浮腫についてのQ&Aです。
Q 黄斑変性・黄斑浮腫ってどんな病気?
A 黄斑とは目の最も大切なところです。目をカメラにたとえると、カメラの奥にあるフィルムにあたる部分を網膜、そしてそのど真ん中の部分を黄斑といいます。なぜ黄斑という名前がついているかというと、この部分には黄色い色素がたまっているからです。
その黄斑が変化すれば黄斑変性に、むくめば黄斑浮腫に、穴が開けば黄斑円孔に、上に膜がはれば黄斑上膜なります。変性とは「何か変化した」ということです。形状が変わったり、出血したり、多くの変化があります。
黄斑は物を見る中心です。その黄斑がわるくなって真ん中が見にくくなるだけで、見え方が大きく変わってしまいます。実際には真ん中が見にくくなるだけでなく、周辺もゆがんで見えたりします。だからこそ黄斑の病気は問題になるのです。このことがわかっていると「真ん中をずらしてみると意外と見えることがある」ということがわかります。
黄斑変性も黄斑浮腫も黄斑円孔も黄斑上膜も、医師側からみたら全く違う病気に見えますが、患者側からみると同じような症状を感じることが多いのです。物がゆがんで見えるというだけでなく、中心が見えなくなることもあります。色を変に感じてしまって白いところを見ているのに黄色く感じてしまう方もいます。ですから、症状はほとんど同じになるのです。
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