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心に刻む御巣鷹

あの夏から四半世紀

 群馬県内の山中で、乗客乗員520人の命が絶たれた日航ジャンボ機墜落事故。1985(昭和60)年8月12日に起きた「御巣鷹の尾根」の悲劇から、今年は25年の節目に当たる。

 羽田発大阪行き123便。お盆の直前だったこともあり、機内はほぼ満席状態だった。夏休みのフライトを楽しみにしていた子どもたちの姿もあったが、墜落事故は、そうした乗客らの夢や希望、人生のすべてを奪い去った。

 あの夏から四半世紀の時が流れる中で、日本航空は単独機の事故としては最悪のケースとなった御巣鷹事故といかに向き合い、若い世代に「空の安全」を語り継いでいくのか。そして、日々の運航業務にどう反映させていくのか。

 「8.12」が近づくにつれ、そうした問いに答えを見つけたいとの思いが募り、123便の残存機体などを展示してある東京・羽田空港の日本航空安全啓発センターを取材した。

 折しも日航は、今年1月に経営破綻(はたん)し、会社更生手続き中だ。企業再生の過程で、「御巣鷹の記憶」はどのように位置付けられ、社員の胸の内に刻み込まれようとしているのか。明日の飛行を支える「確かな翼」を得るための取り組みについて紹介する。

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